FEATURE

2021.12.23
YOFFYIMAJO・IMAJO(サイキックラバー)/上間江望/太田彩華/佐々木久夫/よる。/北川貴規PD

「スターメロディー ユメミドリーマー」対談

11月より配信がスタート、2022年1月20日まで全部で12話お届けするアドベンチャーゲーム「スターメロディー ユメミドリーマー」(PC / PS4 / Nintendo Switch)。このたび、オープニング主題歌『Eternal Glow』の歌唱を担当している上間江望さんと、楽曲を制作したYOFFY(サイキックラバー)さん。エンディング主題歌『夢の中の旋律』を歌っている太田彩華さんとED楽曲及びゲームのBGMを手がけた佐々木久夫さん。挿入歌を作り上げたIMAJO(サイキックラバー)さんと、よる。さん。加えて、ゲーム制作会社である株式会社工画堂スタジオ コンテンツプロデューサーの北川貴規さんを迎え、「スターメロディー ユメミドリーマー」の楽曲にまつわる話を語っていただいた。
 

 最初にいただいたのが、「変身ヒロイン物を戦隊曲チックに作ったらどうなりますか?」というオーダーでした。


――まずは、ゲームの概要からお聞かせください。

北川貴規 このゲームは、女の子が不思議な力を使って変身し、人類の敵を倒す、バトルアクション/アドベンチャー系の作品です。全部で12話制作し、配信は11月4日にスタートしました。2022年1月20日まで一週間ごとに新作を配信リリースしていきます。その一週間後となる1月27日に、全話をまとめあげたパッケージ版を販売。限定版には、作品を彩ったテーマ曲たちを収録したCDも封入します。
楽曲面の話をするなら、オープニング曲とエンディング曲には"光と影"という対極な色を出し、挿入歌やBGMなどは、全体的に元気の良い明るい曲たちを起用しています。


――オープニング曲を担った『Eternal Glow』、作詞/作曲をYOFFYさんが手がけています。どんなイメージでこの曲を作りあげたのか、そこから聞かせてください。

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YOFFY  最初にいただいたのが、「変身ヒロイン物を戦隊曲チックに作ったらどうなりますか?」というオーダーでした。そこからイメージを膨らませたわけですが、その時点で、主題歌を上間江望ちゃんが歌うことも聞いていました。今まで彼女に何曲か楽曲提供をしていますが、バトル系というよりは”上間節”のような独特のスタイルを持っている彼女の歌声の魅力を、どう光る形で着地させるかも意識し、楽曲を作りました。
  作詞については、この作品のの世界観の中でも、大きな特色となっている"マジカルでバトル"という要素をしっかり押さえた内容に仕上げています。個人的に、「スターメロディー ユメミドリーマー」という言葉も楽曲の中へ折り込みたくて、聴感上そう聞こえる「You Make Me~」という形で表現しています、そのものズバリなタイトルコーラスも僕自身で巧みに組み込みました。

佐々木久夫  あの組み込み方は(ブリッジ的な要素としてYOFFYさんがひと言タイトルを叫んでいる)、最高でした。



――『Eternal Glow』を歌った上間さんの、楽曲についての印象も聞かせてください。

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上間江望  楽曲全体にサイキックラバーさんらしさが出ているし、「変身し戦うヒロインもの」というエッセンスも沢山入れて仕上げていただいたなと感じました。歌詞にも、ゲームに出てくるワードがいっぱい入っているから、歌っていて楽しいんです。YOFFYさんもおっしゃっていたように、わたしの歌声はあまり力強いタイプではないと思っています。だからこそ、強いワードをキラッと輝かせる歌い方をYOFFYさんにはアドバイスしていただきました。『Eternal Glow』のサビ歌の一節に「ファイナルイグニッション」という言葉が出てきます。そこを歌うときに、「この部分、影山(ヒロノブ)さんっぽく歌ってみて」とYOFFYさんにディレクションをしていただいたことも覚えています(笑)。すでに『Eternal Glow』はライブでも披露していますが、そのときもちょっと影山さんっぽさを意識しています。

YOFFY  自分で言ったのに、覚えてない(笑)。きっと、上間さんがJAM Project好きなのを知ってるから、そういう伝え方がわかりやすいだろうなと思ったんだろうね。


――『Eternal Glow』、本当に物語の始まりを告げるに相応しいキラキラとした明るい楽曲ですよね。

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太田彩華   毎回、ゲームで『Eternal Glow』が流れるたびに、気持ちが盛り上がります。

上間江望 ほんと、そうだよね。しかもオープニングの映像とこの歌が重なると、より楽曲がキラキラしてさらに興奮が増すよね。回によっては、アバンタイトルの後にオープニングが流れたりして、本当にアニメみたいな始まり方だったりする。ゲームだけど、まるで毎週アニメを見ていくような感覚も味わえると思います。



――エンディングテーマとして流れる『夢の中の旋律』は、『Eternal Glow』とは真逆な色を見せてゆく曲ですよね。

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佐々木久夫  『Eternal Glow』が元気いっぱいの楽曲なら、エンディングを彩った『夢の中の旋律』は切ないバラード調。「太陽と月」のように、そこはうまく対比した表情にしています。

太田彩華  ちょっと病んでるような雰囲気もあるんです。

佐々木久夫  そうだね。楽曲の依頼を受けたときにも、「ヒロインの閉じ込められた心の中」というオーダーがあったので、そこは意識したところでした。

太田彩華  わたしが、歌唱と共に作詞も担当しています。『夢の中の旋律』の歌詞は、ゲームの序盤では内容の全貌がまだ見えてきません。でも、話数が進むごとに歌詞に込めた思いが伝わるといいなと思っていて。最後までゲームを楽しんでいただいてこそ深く理解してもらえるように書き上げました。

YOFFY  最初に『夢の中の旋律』を聞いたとき、「太田ちゃんの歌詞って、こんなにもドロドロ重い世界観なんだ」とびっくりしたよ。

太田彩華  わたしもYOFFYさんと同じように、ゲームの内容をしっかりと頭にいれてから書いたので、物語の展開を匂わせつつ、最後までゲームを楽しんだら「うわぁ、これはこういうことだったのか!!」と思ってもらえるような歌詞にしています。だから、第一話で『夢の中の旋律』を聞いた時点では、みなさんきっと暗いイメージが先行してしまっているんだと思います。

上間江望  わたし、純粋に綺麗な曲として『夢の中の旋律』を聞いてました。

佐々木久夫  オープニング曲とは対極の…と言いながらも、「スターメロディー ユメミドリーマー」という作品のキラキラとした世界観は曲調に生かしてありますからね。
 


異なる3曲を作るのではなく、同じ曲なのに異なる要素を持った3曲を仕上げるのは確かに大変な作業でした。


北川貴規 このゲームには、2曲、挿入歌も使われています。その1曲が、IMAJOさんが作曲をし、上間さんが作詞をした「トリニティ・マテリアル」になります。

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IMAJO  僕の作った曲に関しては、「ザ・アイドル曲」というオーダーだったので、メジャーキーで元気いっぱいのアイドル曲を作りました。
 

上間江望  挿入歌は、七星夢美役の藤田茜さん、風張歩役の高野麻里佳さん、倉地鈴音役の長縄まりあさんの3人が歌っています。


IMAJO  歌入れは、僕がディレクションをさせていただきました。この曲の仮歌を、上間さんに歌ってもらったのですが、それが100点満点の内容だったから、みんなとても参考になるお手本にしていましたね。
  「トリニティ・マテリアル」で大変だったのが、「どこの部分を誰に歌ってもらうか」の振り分け。すぐに判断がつかなかったから、それぞれにフルで歌ってもらい、そのうえで「ここの歌詞はこの人」と振り分けていきました。

北川貴規  IMAJOさんの作ったキラキラとした「トリニティ・マテリアル」は、バトルでいうなら、最後のライダーキックを決める、とどめとなるシーンで流れてきます。


――「トリニティ・マテリアル」の作詞は、上間さんが担当しています。

上間江望  わたしも、物語のキーとなる言葉をいろいろはめ込みながら。そのうえで、キラキラした前向きな思いを胸に戦う女の子の歌として作りました。歌っているみんな、挫けそうになりながらもそれぞれに想いがあって戦っているので、そこを意識しながらそれぞれの女の子の目線に寄り添う歌詞にしようと心がけました。

IMAJO  レコーディングの時の裏話になりますけど。長縄まりあさんの演じる倉地鈴音が、とても柔らかくか弱いキャラクター。でも楽曲自体は元気な楽曲だから、長縄さんは「そんな元気じゃないキャラクターの子の元気さをどう歌声に出すのか苦労しました」と、歌い終えてから言ってましたね。
     

――よる。さんが手がけたのが、「Shiny☆Shiny DREAMER!!」になります。

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よる。  オーダーとしてあったのが、「最後に浄化してゆく曲」ということ。「Shiny☆Shiny DREAMER!!」自体は1曲ですが、音ゲーの要素や用途に合わせ、メインの楽器や曲の雰囲気を変えるなど、全部で3バージョン作りました。その作業がけっこう大変でしたけど、楽曲の中へキラキラ感を出しつつ、楽しみながら頑張りました。

YOFFY  バージョンごとに、楽曲の抜き差しやアレンジを変えてくって、とんでもなく大変な作業だからね。

よる。そこは、めちゃくちゃ試行錯誤をしました。「Shiny☆Shiny DREAMER!!」は一人で歌うときはバージョン1で、そこへもう1人が加わり2人になったときはバージョン2、3人になったときはバージョン3が流れる形で作っています。
     
YOFFY  音ゲーの要素に合わせ、ギターを抜いたバージョンや打楽器中心のバージョンなど、そういう逆算していく感覚でアレンジしていくわけでしょ。同じ作家として、その作業がいかに大変かわかるから、その話を聞いて「すごいことやってたんだな」とビックリしました。

よる。  異なる3曲を作るのではなく、同じ曲なのに異なる要素を持った3曲を仕上げるのは確かに大変な作業でしたけど。わたし自身が音ゲー大好きな人だから、「こんな感じで、この音が合いの手のように入ってきたら楽しいだろうな」など想像を巡らせ、楽しみながら作りました。
  
太田彩華  そういう作りを求められたのも、それぞれに登場するキャラクターに武器となる担当楽器があるからなんですよね。その要素が、「Shiny☆Shiny DREAMER!!」の3バージョンそれぞれの楽曲に反映されています。「Shiny☆Shiny DREAMER!!」の作詞も、わたしが担当させていただきました。いただいた資料に、とてもわかりやすいキーワードになる言葉がいろいろ書いてあったから、それをうまく使いたいなと意識しました。敵を倒すために使う楽曲だから、悪い奴らが言われたら嫌そうなキラキラとした世界観を。それこそ「星を愛で包むぜ」のようなラブ&ピース感を盛り込んだ、敵に勝てる歌詞に仕上げています。 


――このゲーム内では、話していただいた曲たちが使われているわけですね。

北川貴規 オープニングテーマとエンディングテーマに関しては毎回流れますけど、リズムゲームに関しては、大体2回に1回の割合で入ってくるようなイメージですね。挿入歌が流れる回もあれば、ない回もあります。


すでに推しキャラが3人はいるよね。オープニング曲の『Eternal Glow』が流れたとたん、アニメを見ているのと同じ感覚で「始まった~!」って感じがします。


――太田さんと上間さんは、実際にゲームを体験している方々。プレイしての感想も聞かせてください。

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上間江望 イラストがめちゃくちゃ綺麗なんですよ。しかも、みんな可愛いから、いろんなキャラクターが出てくるたび「この子が一番だぜ!!」みたいな気持ちになりながら(取材時点では)2話までプレイしました。

太田彩華  すでに推しキャラが3人はいます。オープニング曲の『Eternal Glow』が流れたとたん、アニメを見ているのと同じ感覚で「始まった~!」って感じがします。

上間江望  バトルシーンで、『Eternal Glow』のギターアレンジバージョンなども流れてくるんですね。わたしの歌声がギターに置き換わって流れてくるのも、聞いてて新鮮でした。

太田彩華  劇伴は、佐々木久夫先生が作っています。


佐々木久夫  僕は、「スターメロディー ユメミドリーマー」のBGMも作らせていただきました。もちろん、オープニング曲やエンディング曲、2曲の挿入歌も、ゲームを彩る音楽として無許可で入れ込ませていただきました(笑)。

IMAJO  無許可って(笑)、そりゃ同じゲーム内の音楽だから、使うのは当然でしょう。

YOFFY  その音楽、めっちゃ聞きたい!!

よる。  わたしも聞きたいです!!

太田彩華 わたし感動したのが、ストーリーの中でオルゴールが出てくるシーンがあるんですけど。そこで『夢の中の旋律』のオルゴールバージョンが流れてくるんですよね。あの曲はストーリーにもマッチしていて、聞いたときに鳥肌が立ちました。

IMAJO  劇伴用の曲はどれくらい作ったんですか?

佐々木久夫  25曲くらい作ったうえで、アレンジしたバージョンも20パターンくらい作っています。もちろん、シーンごとのイメージも大切に作りましたけど。自分もみなさんと同じように、「スターメロディー ユメミドリーマー」が持っているキラキラ感を入れ込むことを一番大切に考えていましたね。IMAJOさんとよる。さんの作った挿入歌も、だいぶキラキラしていますもんね。

IMAJO  僕に関してはザ・アイドル曲という理由もあって、キラキラな印象を与える音色はだいぶ意識して使いましたね。

よる。  そこは、同じです。なるべくキラキラ感を音色やメロディーにも出すように心がけました。

IMAJO  みなさん打ち込みでドラムやベースを作っていますが、今回僕が担当した楽曲は、生でドラムとベースをレコーディングさせて頂きました。人間の演奏によって生み出されるグルーヴ感を重視してます。本当にわずかなリズムの揺れですが、リズムゲームの中でそんな事も感じたりしてもらえたら、より嬉しいですね。

上間江望  出てくるリズムゲーム、思った以上に難しいです(笑)。


毎週配信されるゲームというのにワクワクしますよね。


――改めて、「スターメロディー ユメミドリーマー」の魅力を語っていただいても良いですか?

太田彩華  毎週配信されるゲームというのにワクワクしますよね。毎回オープニング曲とエンディング曲が流れるので、そこも含めてアニメを見る感覚で楽しめます。

上間江望  しかも、エンディングのあとに、しっかり次回予告も入ってるから、あれを見ると、次回への期待が高まります。

YOFFY  ゲームではフルコーラスまで聴けないじゃない?収録した曲たちのフルバージョンも、いつか聴けるようになるんですか?

北川貴規  もちろんです。オープニング曲の『Eternal Glow』は、11月19日配信リリースです。みなさんに作っていただいた楽曲や劇盤音楽は、2022年1月27日に発売されるパッケージ版の限定版封入特典のオリジナルサウンドトラックCDに収録します。

佐々木久夫  『Eternal Glow』の1番と2番の間で、YOFFYさんがボコーダーボイスを使って「ユメミドリーマー ドリーマー」って歌ってるじゃないですか。あそこ、好きです。しかも、思ってた以上にたくさん細かいコーラスが入っていて驚きました。

YOFFY  気付いてくださってありがとうございます。『Eternal Glow』の掛け合いの中に多人数感を出したくて、DelightStyleという2人組の女の子たちにもコーラスや掛け合う声で参加してもらいました。

上間江望 「チェーンジ!!」「スターッ!!」などのキメっぽい掛け声が、すごく賑やかというか、ライブ感が出ていて好きです。

IMAJO  サイキックラバーでもそうだけど。YOFFYは、細かいところにまでかなりこだわって作るからね。

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佐々木久夫  女性コーラスのトラック数も多ければ、上間さんのトラックだけでもすごい数がありますよね。僕は劇盤アレンジを行うときに、元の素材もいただいたからわかってはいるんですけど。予想以上というか。過去最高にトラック数が多かった楽曲でした。

YOFFY  その言葉、制作者側としては、嬉しいほめ言葉です。ただし、聞いてる人たちにはそこを意識させないようにしていますから。

北川貴規  そういう細かい種明かしも、パッケージ版で楽しんでいただけたらと思います。現在も、毎週木曜日に最新話が配信中ですので、日曜日の朝、アニメを楽しみにしていたあの頃のワクワク感を思い出しながら、ぜひ全12話を楽しんでください。


PHOTO:守屋貴章
TEXT:長澤智典



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<インフォメーション>



☆『ユメミドリーマー』パッケージ版販売情報☆
『ユメミドリーマー』のパッケージ版は、プレイステーション4・ニンテンドースイッチともに2022年1月27日(木)発売予定!
豪華特典がついた「限定版」も現在ご予約受付中です。

特典その1「オリジナルサウンドトラックCD」
ゲーム内BGMの他、私たちのオープニング、エンディング主題歌も収録!

特典その2「ユメミドリーマー アートブック(仮)」
イラストギャラリーや設定資料、クリエイター対談等を収録した特典冊子です。※全48ページを予定
公式HPはこちら

https://yumemi.kogado.com/




☆「ユメミドリーマー」応援番組「リトルスターチャンネル」のお知らせ☆
12月24日 20時~ 工画堂スタジオ公式YouTubeチャンネルにて配信
ゲストに七星夢見役 藤田茜さんをお迎えしてお届け
https://youtu.be/omvkJf-HN-8

ED主題歌「夢の中の旋律」が収録された
太田彩華1stフルアルバム「Achroite=Rubellite」2022年2月1日リリース
好評ご予約受付中

 

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