FEATURE

2020.12.18

SUPER☆GiRLS

SUPER☆GiRLS 10周年インタビューvol.2（阿部夢梨、坂林佳奈、門林有羽）

2010年に結成され、今年で10周年を迎えたSUPER☆GiRLS。新曲「NIJIIROロード☆」も含む、オールタイムベストアルバム「超絶少女☆COMPLETE 2010〜2020」のリリースを機に、3期メンバーの阿部夢梨、4期メンバーの坂林佳奈と門林有羽に、その歩みを聞いた。なかでも門林有羽は、2020年5月から10月まで体調不良のために活動を休止し、SUPER☆GiRLSから離れていた日々を振り返り、涙ぐむ場面もあった。

vol.1 渡邉幸愛、石丸千賀、井上真由子、樋口なづなインタビューはこちら

メンバー写真

これからもさらに未来に向けて、15年、20年、とつないでいけるようなグループにしていかないといけないな

——新曲「NIJIIROロード☆」のMVもまさに10周年を背負った映像でしたね。すでに1期メンバーはみなさん卒業していますが、スパガの歴史を背負って活動してきて、改めて「10周年」と言われてどう感じますか？　3期の阿部さんはいかがでしょうか？

阿部：「10周年おめでとう」と言われることに対して何も抵抗はないです。今までの先輩方の歴史を受け継がせていただいている身なので、私たちも「SUPER☆GiRLS10周年おめでとう！」という気持ちでいますし、これからもさらに未来に向けて、15年、20年、とつないでいけるようなグループにしていかないといけないな、ってさらに気が引き締まっております。それぐらいやっていかないと、アイドル戦国時代と呼ばれているご時世ではやっていけないと思っています。

——「アイドル戦国時代は終わった」という意見もありますが、阿部さん自身がアイドルをやっていて、まだ戦国時代は続いていると感じますか？

阿部：全然続いていると思いますし、「まさに今なんじゃないかな？」と逆に思っています。いろんなジャンルや、ニッチなテーマ、さまざまなアイドルさんがたくさん誕生していて、今は、自分で「アイドル」と言えば誰でもアイドルになれるような時代で、そのなかでどんどん上に登っていかなきゃいけない。これは戦いなのかな、って個人的には思います。

——4期の坂林さん、門林さんは「10周年」と聞いてどう感じますか？

坂林：いきなり7人も入ってきて（2018年12月加入の4期メンバー）、最初の頃はファンの方もやっぱり抵抗感というか、受け入れてもらえなかった部分も多少はあったと思うんですけれど、加入から2年ちょっと経って、私たちとファンの方の間にもしっかりと絆ができた感じがしています。そして先輩方が積み上げてくださった、この10周年を大切に、今回の楽曲の歌詞のように、今のファンのみなさんと未来につなげていけたらいいな、と思います。

門林：10周年ってすごい長い年月だと思うんですよ。10年前の自分って、何も考えずにその辺の公園で遊んでいた子供だったので（笑）。10年の歴史に今、自分の名前があることが、とても光栄に思います。さっき坂林も言っていたように、加入した当時はほとんどみんな素人状態だったので、受け入れられていない感じもありました。それもあって最初の3か月ぐらいは本当に自分のことに必死で、目の前のことをこなすのもままならない不安定な状態でした。でも、その後、先輩方や、ファンの方、関係者の方のサポートのおかげでなんとか2年やってこれて、「自分はSUPER☆GiRLSだ」って思えるようになり「この長い歴史があるグループにもっと貢献できるように、もっと色々な方々に知っていただけるようなグループにしていきたい」という意識が芽生えました。

——今、初期の映像を見て何か感じるものはありますか？

阿部：加入した時にスタッフさんがDVDを全部くださって、それを何度も見て先輩のパフォーマンスを学びました。一点の曇りもなく、全員が未来に希望を感じている目をして輝いていて「全員が同じ目標に向かってがんばっている」そんな感じがしました。

坂林：今でもワンマンやイベントがある前は、先輩方の動画を見てパワーをいただいています。本当に全員輝いていて、がむしゃら感がすごくあって。「私たちも全部受け継がないとな」と思います。

門林：コンセプトが「王道アイドル」なのですが、本当にその通り王道で、まっすぐで、キラキラしていて、それでいて誰ひとりキャラがかぶることもなく、個としてすごく綺麗に輝いていて…その王道をこれからも貫き通していきたいです。

周りの人の「待ってるよ」という言葉にすごく救われて、みんなの支えと愛のおかげで戻ってこれました

——2018年から「スパガ第4章」として活動してきたなかで、それぞれ一番楽しかったことと、一番つらかったことを教えてください。

阿部：個人的に大きな出来事は、「ナツカレ★バケーション」で初めてセンターを務めさせていただいたことです。この曲は、第4章の一番最初の夏曲で、MVはタイで撮影させていただきました。5年間スパガとして活動させていただくなかで、ずっと海外で撮影してみたかったので、念願が叶ってとても嬉しかったです。そういう楽しいことがある分、つらいこともたくさんありました。そのなかでも、（渡邉）幸愛さんも含めて先輩6人から一気に「卒業を考えています」と告げられた時が一番つらかったです。もうそのメンバーと一緒にライヴすることができなくなってしまうし……別れが一番つらいです。

SUPER☆GiRLS / ナツカレ★バケーション Music Video Full ver.

坂林：私にとって楽しくもあり、一番過酷でもあった経験が、加入してすぐ一人ひとりフィーチャーしたMVをいただいた時です。ちょうどその時ワンマンもかなりの頻度で行っていて、すごいハードスケジュールで、そのなかでも私フィーチャーだった「情熱RUNNER」では、大量の雨を降らされたのがとても印象に残っていて。雨とかそういうレベルじゃないくらいの水をかけられて、みんなびしょ濡れになってしまったんです。でも、そこで「絶対このMV乗り切ろうね」っていう団結力が生まれました。今思えば、そこからMVを撮るごとにメンバーとの絆も強くなっていった気がします。

SUPER☆GiRLS / 情熱RUNNER Music Video Full ver.

門林：昨年リリースさせていただいたアルバム「超絶★学園〜ときめきHighレンジ!!!〜」で、ひとり1曲ずつセンター曲をいただいて。そのMV撮影を毎月2本ずつやっていて、最初は先輩方と少し距離を感じていた部分があったのですが、同じカットシーンにでたくさんお話ししたり、後半になるにつれてだんだん距離が縮まって、何でも話せるようになっていったことはすごく嬉しかったです。つらかったことは、体調を崩して活動休止をしてしまったことです。自分自身、体調を崩すとも、活動休止になるとも思っていなかったので、その時は目の前が真っ暗になって……（涙ぐみながら）。「もう戻れないんじゃないかな」って思ったのですが、周りの人の「待ってるよ」という言葉にすごく救われて、みんなの支えと愛のおかげで戻ってこれました。一番つらかった思い出でもあるのですが、スパガへの愛が深くなるきっかけでもありました。活動休止期間は、SUPER☆GiRLSを外側から客観的に見る機会でもあったので、「改めてSUPER☆GiRLSは色々な方に愛されて恵まれているグループだな」て思いました。

——いろいろな時期を経て、現在はコロナ禍でもYouTubeを活発に更新していますが、気に入っている企画を教えてください。

阿部：「これ飲めるの!?ミックスジュース対決（Vol.43）」がめちゃめちゃ楽しかったです。きつかったけどYouTubeっぽいな、って思います。今までやってきた企画のなかで一番体張りました。この時のジュース、涙が出てくるくらいまずくて、しおりん（長尾）が作ったやつが一番おいしかったんですけど、全員おいしくしちゃうとつまらないから、バラエティ魂みたいなものがメンバーのなかで芽生えちゃって（笑）。今思えばそれが楽しかったです。あと個人的には「キタコレ！阿部夢梨がASMRでささやきます。要イヤホン!!（Vol.25）」が楽しかったです。ラジオとか、声のお仕事をさせていただいているので、ASMRはすごく気になっていて。これは印象深いです。

【スパガちゃんねる Vol.43】これ飲めるの！？ミックスジュース対決

門林：私は「阿部夢梨は本当にあざといのか？あざとゆめり対決（Vol.41）」がアイドルかつバラエティをしている感じがして思い出深いです。ゆめりさんが萌え台詞を言ったり、あざといことをしないといけないんですけど、だんだんバラエティ路線に行ってしまって（笑）。結論はうちのリーダー（渡邉幸愛）が一番あざといということになりました。

【スパガちゃんねる Vol.41】阿部夢梨は本当にあざといのか？あざとゆめり対決

——阿部さん的に納得のいく結果だったんですか？

阿部：でも、私に投票していたらつまらないというのもあって、みんなほどよいバランスを保ってくれました（笑）。おもしろさを一番追求しています。

坂林：みなさんがバラエティ魂など言われているなかであれなんですけど、私は「念願の!?駄菓子1万円分購入企画！（Vol.32）」がすごく楽しかったです（笑）。この企画はすぐ立候補しました。「食べれなかったら持って帰ってもいいよ」ってスタッフさんが言ってくれた言葉がすごく嬉しくて、「まだ食べる企画が来たらいいな」って思います（笑）。

【スパガちゃんねる Vol.32】念願の！？駄菓子１万円分購入企画！

約9か月ぶりの有観客ライヴはメンバーの顔から客席の皆様まで、360度全てが愛おしかったです

——バラエティに富んでいていいですね（笑）。2020年11月23日には約9か月ぶりの有観客ライヴ「SUPER☆GiRLS ファンクラブS.P.C限定ライブ」を開催しましたが、感想はいかがでしたか？

阿部：いざステージに立ったら全く緊張を感じず、楽しませていただきました。ファンのみなさんが声出しも全くできないなか、ペンライトを使って楽しんでくれたり、笑顔から盛り上がっていることが伝わってきてすごく嬉しかったです。

坂林：「この日が来るのが楽しみ」という声を何日も前からいろんなコンテンツで聞いていて、当日はTシャツを着て来てくれたり、名前を書いていただいたりとかいろんな工夫もしてくれた方もいました。あと「NIJIIROロード☆」の振付が初公開だったんですけど、一緒に踊ろうとしてくれて、愛おしさや、心からこみ上がるものがありました。私は視力があまり良くないんですけど、みなさんの顔をしっかり見たかったのでコンタクトをつけるようになりました。メンバーの顔から客席の皆様まで、360度全てが愛おしかったです。

門林：声出しができない状況は初めてだったので、正直最初はとても不安でした。でも、ステージに立ってみたらファンのみなさんが振りコピをしてくれたり、全力でサイリウムを振ってくれて温かい空気感で迎えてくれて、感動して涙を流してくださる方もいらっしゃって、「やっぱり直接会えることは素敵だな、私が求めていたのはこの感覚だな」と思って、夢のような時間でした。「夢の引力」をやったのですが、「やっと会えたよね！　わたしたち」という歌詞があって、「この曲がこんなに身に染みることがあるんだ」ってくらい、歌詞通りの気持ちになって。「曲を通して『会えて嬉しかったよ』っていう気持ちを伝えられていたらいいな」と思いました。

——2020年12月23日にはベスト盤「超絶少女☆COMPLETE 2010-2020」もリリースされますね。リリース当時に自分が参加していたかどうかは関係なく、スパガの好きな曲とその理由を教えてください。

阿部：たくさん大好きな曲があるなかでも、「空色のキセキ」がすごく好きで。八坂沙織さんのイメージが強いと思うのですが、卒業ソングとか関係なしに、メロディーや歌詞、バラードチックだけど落ち着きすぎないところとか全部ドンピシャなんです。つらいことや、反省したいことがあったら、プライベートでもわりとこの曲を聴いています。携帯のなかに唯一入っているスパガの曲です。

SUPER☆GiRLS / 空色のキセキ Music Video Full ver.

——他の曲は入っていないんですか？

阿部：ライヴでたくさん歌うので、プライベートでは違う曲を聴こう、みたいな。

坂林：私は「ギラギラRevolution」がかっこよくてすごく好きです。オーディション時代からこの曲を歌わせてもらっていて。その時、先輩も目の前にいて、めちゃめちゃ踊り狂った後に最後プロテインを飲んで、「ワタシ大革命！」って言う1セットがあって。「そんなにかなぽんは『ギラギラRevolution』が好きなのか」と先輩方が思ってくれたのか、今ではタイトルコールをさせていただくことになり（笑）、23日のワンマンライヴのタイトルコールも、「それでは聴いてください、『ギラギラRevolution』！」だけのためにリハーサルの時間を取ってもらいました。

SUPER☆GiRLS / ギラギラRevolution Music Video Full ver.

阿部：やりたいって言ったからじゃん（笑）。

坂林：はい（笑）。私にとってこの曲は加入当初からすごく大切で、思い出がたくさん詰まっています。

門林：どれを選ぼうか迷ったのですが、現実から逃げたくなった時に一番聴きたい曲は「汗と涙のシンデレラストーリー」です。「腰は低く夢は高く」という歌詞がすごく響きます。「私は今ここでめげてちゃいけないな」ってムチを打ってくれるような、希望を持たせてくれる曲でもあります。また披露したことはないのですが、プライベートでも聴いている楽曲です。

SUPER☆GiRLS / 汗と涙のシンデレラストーリー Music Video Full ver.

——活動休止中に聴いた曲はありますか？

門林：「がんばって青春」をけっこう聴いていました。歌詞もすごく良いし、アップテンポな曲調なのでポジティブな気持ちになれて。「がんばって」って、本当にわかりやすく応援の言葉が入っているので、「私も早く治さなきゃ！」って強い意志を抱かせてくれました。

SUPER☆GiRLS / がんばって青春

——12月22日にKT Zepp Yokohamaで10周年記念ライヴ「SUPER☆GiRLS 10周年LIVE〜ありがとうが止まンないっ！〜」を開催しますが、意気込みを教えてください。

阿部：6月に日本青年館で10周年記念ライヴを開催する予定だったのですが、コロナの影響でできなくて、その悔しさや、そこでやりたかったことを全部このライヴでぶつけたいと思っています。歴代のスパガにとって欠かせない曲はもちろん披露させていただきますし、今まであった歴史を思い出させるようなセットリストにしています。

坂林：やっと会えるファンの方もいるのですごく嬉しいです。この期間で初めて出会った方も、ずっと応援してくださっていた方も、全員が楽しんでもらえるように、「スパガってめちゃめちゃいいグループやで」って届けられるようなワンマンライヴにしたいです。私も100%以上のパワーで挑めるように精進していきます。

門林：今までの歴史を感じてもらいつつも、これから先、11周年に向けての未来や希望を表せるライヴにしたいです。個人的にも4期生として2年も経つので、「頼もしくなったな。4期も安心して見られるぞ」って目で感じて、思ってもらえるように、パワーアップした私たちを見てもらいたいです。

——門林さんも言っていましたが、来年からスパガは11年目に突入します。どんなスパガを目指していきたいでしょうか？

阿部：10年間先輩方が作ってきてくださったものを、未来につなげていけるようにがんばっていきたいです。個人的に11年目は、ファンのみなさんとの距離を縮めていきたいと思います。今年はせっかくの節目の年だったのに、コロナのせいでなかなか思うようにいかず悔しい部分もたくさんあったので、来年がどうなっているかまだわかりませんが、そういう部分をたくさん回収して、ファンのみなさんに恩返しができるような1年間にしていけたらいいな、と思っています。

坂林：いつでもSNSを開けば応援の声をいただけて、本当に感謝しかなくて。「11年目もスパガを応援していてよかったな」と思ってもらえるようなパフォーマンスを、なかなか表立ってできない状態ではあるのですが、日常のなかでみなさんが元気になってもらえるようなことを発信していきたいです。

門林：今年は活動がほとんどできなかったのですが、そのなかでも私のことを忘れずにいて、待ってくださったファンのみなさんがいらっしゃるので、１1年目はそういうみなさんに感謝の気持ちを伝えたいですし、「門林を応援していてよかったな、幸せだな」って思っていただけるように、目の前のことをひとつひとつ大切にやっていきたいと思っています。

取材・文：宗像明将

＜インフォメーション＞