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2024.03.20
AKB48

AKB48春コンサート2024 inぴあアリーナMM 昼の部 〜未来が目にしみる〜 公演レポート

 3月16日と17日、ぴあアリーナMMを舞台に「AKB48春コンサート2024 inぴあアリーナMM」を開催。ここでは、第19期生もお披露目となった「昼の部 〜未来が目にしみる〜 」公演の模様をお届けしたい。


  この日出演するメンバーらの紹介映像の上映。続けて『Overture』が流れだす。大きな扉が開き、無数のCo2が吹き上がる。いつしか舞台の上には大勢のメンバーたちの姿があった。AKB48のライブは『始まる。』を凛々しく歌い躍り、スタート。大勢のメンバーたちが、巨大な城の上に雄々しい姿で立ち、それぞれが、ここから躍進する強い意志を示すように歌い躍っていた。気持ちの奮い立つ幕開けだ。さぁ、ここからどんな物語を綴りだすのか。期待に胸が熱くなる。

 『言い訳Maybe』が飛びだすのに合わせ、場内中から野太いMIXが沸き上がる。メンバーたちは爽やかな音の風を身に感じながら、彼女たち自身が春風になって、心を晴れた気分へ導く歌声を届けてゆく。彼女たちの笑顔を見つめているだけで、胸がドキドキする。視線をあちこちに走らせながら、今は彼女たちに思いきり恋していたい。「好きだ」の声に向け、場内中から「俺もー」の声が飛び交う。本当に、素敵なやりとりだ。

 曲を重ねるごとに舞台が、いや、この会場自体の空気が華やぎだす。『オネストマン』を胸に、彼女たちと一緒に広い世界へ飛びだし、共に眩しい青春のひとときを感じていたい。メンバーらが歌った「世界で一番好きだ」の声へ、同じ想いを返したい。その声へ向けて、場内中で無数のカラフルなペンライトの輝きが大きく揺れていた。

  春を飛び越え、ひと足早く爽やかな夏の風を運ぶように、メンバーたちは眩しい笑顔を浮かべて17・18期研究⽣のオリジナル曲『あの夏の防波堤』を歌っていた。爽やかな歌の夏風を覚える。その中から浮かび上がる君と過ごした煌めいた景色の数々が、頭の中のスクリーンに次々と映し出される。そんな妄想した気分に、笑みを浮かべながらしばし浸っていた。

 『久しぶりのリップグロス』がスタートするのを合図に、花道を駆け出し、センターステージに向かうメンバーたちの姿が飛び込んできた。センターステージの側にいた人たちは、彼女たちが運んできた胸をときめかす歌声の風を受け、ドキドキしていたのだろうか。曲を重ねるごと、彼女たちと過ごす思い出の景色が次々と描き足されてゆく。上書きなんかしたくない。一つ一つ大切な心のフォルダを増やしながら、瞼に焼きつけたその姿を大切にしまっておきたい。


 この日より、AKB48の4代目総監督に倉野尾成美が就任。彼女は、「ここから新たなスタート」と意気込みを述べていた。


 ここからは、さまざまな編成でのユニットコーナーへ。岩立沙穂と村山彩希の2人で届けた『10クローネとパン』では、彼女たちが異世界への案内人となり、この場にいる人たちを、現実を忘れた幻想的で不思議な場へ連れだし、見ている人たちを魅了していった。 

 4人(込⼭榛⾹・⾕⼝めぐ・福岡聖菜・向井地美音)の歌声からスタート。楽曲が華やぐのにあわせ、彼女たちは力強い声を響かせ『涙の表面張力』を歌唱。途中より4人は花道へ。その花道が上へと階段状に上昇。その上で歌う彼女たち姿に思わず見入っていた。綺麗に振りを揃えた4人の動きにも目が釘付けになる。

  さらに華やかな音の風を運ぶように、11人(岡部麟・⼩栗有以・⼩⽥えりな・⾏天優莉奈・倉野尾成美・坂川陽⾹・下尾みう・髙橋彩⾳・徳永羚海・永野芹佳・橋本陽菜)が手にしたポンポンを振りながら『夢へのルート』を歌いだした。眩しい気持ちを胸に夢とへ駆けだす歌は、彼女たちにとても似合う。11人も、階段型に上昇した舞台の上で歌えば、ゆっくり降りながらセンターステージへと向かう。彼女たちが送る夢へのエールが、気持ちを嬉しく騒がせる。舞台の上で弾けるその姿に、熱いエールを送りたい。

 左右から動き出したトロッコに乗って『アイドルはウーニャニャの件』を歌ったのが、大盛真歩と千葉恵里真。2つのトロッコは、スタンド席前で合体。ふたたび移動しながら、熱狂し満開に咲いたファンたちのたくさんの笑顔に、次々と歌の養分を降り注いでいった。歌の後半にはセンターステージへ。無邪気に戯れるように歌う2人の姿が、とてもチャーミングだ。最後に2人が見せた猫の手ポーズも、胸をキュンと騒がせた。

 眩しく輝いた青春の景色をこの場へ連れ出すように、8人(⿊須遥⾹・佐藤美波・鈴⽊くるみ・⽥⼝愛佳・⻑友彩海・武藤⼩麟・⼭内瑞葵・⼭根涼⽻)が『抱きしめちゃいけない』を爽やかな笑顔と歌声で届けてくれた。卒業や別れが生まれるこの季節に、この曲に触れていたからだろう。メンバーらの届ける爽やかな青春の風に心ときめきながらも、卒業というあの頃の思い出や、いろんな旅立ちの景色を、胸のスクリーンへ投影しながら思い返していた。でも、やっぱり彼女たちの眩しい姿にときめいていた気持ちのほうが強かったのも事実だ。
 
  それは、センターステージで『パパに言えない夜』を歌い躍っていた17期研究生の9人(太⽥有紀・⼩濱⼼⾳・佐藤綺星・橋本恵理⼦・畠⼭希美・平⽥侑希・布袋百椛・⽔島美結・⼭﨑 空)にも言えること。彼女たちも、ちょっぴりわがままな乙女になり、舞台の上で無邪気にはしゃいでいた。このブロック、思いきり青春を謳歌するメンバーたちのいろんな心模様を、さまざまな楽曲や編成で味わえたのが嬉しい。その姿は、恋に恋してはしゃぐ天使たちのようだ。

  18期研究生の8人( 秋⼭由奈・新井彩永・⼯藤華純・久保姫菜乃・迫由芽実・成⽥⾹姫奈・⼋⽊愛⽉・⼭⼝結愛)は、胸の内に秘めた想いを告白するように『マチビト』を歌っていた。青春は、希望という未来を手にするための別れや旅立ち。そこへまつまる、夢や恋を追いかけたいろんな思い出の景色が折り重なり、形作られる。だから、このブロックで歌った青春の香りを覚えるいろんな想いや景色を歌った曲たちに触れながら、メンバーらの歌声の絵筆を通して、一つ一つの物語をいろんな感情の色で染め続けていた。

 
 朝、入学式へと向かう映像を通して紹介を受けたのが、第19期研究生たち。一人一人の姿に眩しさを覚えるのはもちろん、5人が描く未来図に期待したくなる。
  ライブは、大きな扉を開けて踏み出した5人か歌う『ギンガムチェック』へ。眩しいその姿に向け、場内中から熱いエールが飛び交う。2階ステージで、笑顔で戯れる5人。すでに綺麗なフォーメーションを描きながら、彼女たちは煌めいた笑顔と歌声を響かせていた。これからAKB48のメンバーとして駆けだす今の気持ちを、5人は『ギンガムチェック』に乗せて届けていた。第19期生たちが、これからのAKB48のどんな新風を巻き起こすのか、楽しみだ。

  第19期研究生の自己紹介。さらにここで、この日の出演メンバーへ19期研究生も加わる形で、『春一番が吹く頃』を届けてくれた。この曲では、多くのメンバーたちが客席中に分かれて歌唱。近距離で、いや、目の前でメンバーらが無邪気に戯れながら歌う姿に触れ、場内中の人たちが大興奮。いつしかメンバー全員が客席へ降りて歌っていた。この日、足を運んだ人たちには、最高の思い出作りになっていたのでは?!

 続く『偶然の十字路』でも、出演メンバー+19期研究生が客席のあちこちへ散らばり、笑顔で手を振り、この会場中に、桜よりもひと足早く、たくさんの桃色に染まった笑顔の花を満開に咲かせていた。

 『君はメロディー』からは、ふたたびメンバーらが舞台へ集合。大勢のメンバーたちがセンターステージに集結して歌っていたのも嬉しい。その後も、舞台上へメンバーたちが散らばり、みんなで想いを一つに歌を届けていた。中には、階段状に競り上がった舞台の上で歌う人たちも。ヤバいよ、この曲を歌っている間中ずっと心が華やいでいた。ここにいるメンバーと大勢の観客たちが、心の中へ気持ち華やぐ満開の花を咲かせていった。

  一つ一つ優しく音色を零すように奏でた新井彩永のピアノの演奏に乗せ、少人数で切々と歌ったのが『掌が語ること』。ピアノの演奏のみを背に歌うことで、感情的な声の揺れが、場内の空気を通して明瞭に伝わる。曲が進むごとに徐々に増えだしたメンバーたち。終盤には全メンバーが揃い、みんなで美しい合唱を作りあげていた。 胸を揺さぶるドラマチックな展開と思いを乗せた歌声に、いつしか瞼に温もりを覚え、彼女たちの姿が滲んでいた。みんなで大きく左右に手を振りながら心を一つにしていたのも忘れられない。


 後半は、16人(坂川陽⾹・佐藤美波・鈴⽊くるみ・徳永羚海・⽥⼝愛佳・⻑友彩海・太⽥有紀・平⽥侑希・布袋百椛・正鋳真優・⽔島美結・秋⼭由奈・新井彩永・成⽥⾹姫奈・⼋⽊愛⽉・⼭⼝結愛)が力強く歌う声から幕開ける『知ったかぶりのその下に』からスタート。センターステージを目一杯使い、華やいだ歌声を彼女たちは響かせていた。舞台の上で大輪の花を咲かせるように歌い躍るその姿をずーっと追いかけたい。細かい動きを綺麗に揃えて歌い躍るその様を、視線がずっと追いかけていた。

 先ほどもそうだが、ピンクのギンガムチェックの衣装が、春めいていてとても華やかだ。華やぐそのモードで、15人(岩⽴沙穂・⼤盛真歩・岡部 麟・⼩⽥えりな・⾏天優莉奈・倉野尾成美・⿊須遥⾹・込⼭榛⾹・下尾みう・髙橋彩⾳・⾕⼝めぐ・向井地美⾳・村⼭彩希・橋本陽菜・⼭根涼⽻)は「どうしても君が」「好きだ」と、『どうしても君が好きだ』を力強く、さらに華やかさを膨らませるように歌い躍っていた。その姿へ向けて、場内のあちこちから眩しい声が上がり続ける。曲が進むごとに、心が軽やかに弾みだす。心にどんとん笑顔の花園が広がりだす。

  14人(⼩栗有以・千葉恵⾥・永野芹佳・福岡聖菜・武藤⼩麟・⼭内瑞葵・⼩濱⼼⾳・佐藤綺星・橋本恵理⼦・畠⼭希美・⼭﨑空・⼯藤華純・久保姫菜乃・迫由芽実)で歌った『アイドルなんかじゃなかったら』の登場にあわせ、場内中から熱い声が響き渡る。一人一人が歌うたびに、そのメンバーを呼ぶ声が飛び交う。アイドルの本音??を、でも、アイドルとして輝くことを思いきり謳歌しているメンバーたちが歌うことで、この曲にリアリティを覚えれば、だからこそ、熱いエールを送りたくなる。

  舞台の上には、この日のライブを彩ったメンバーが集結。みんなで盛大に打ち上がろうと『フライングゲット』を歌唱。大勢のメンバーが振りを綺麗に揃えてせまる、その姿も圧巻だ。途中からは、一部メンバーが2台のトロッコに乗って、場内中の人たちを至近距離で甘く挑発。2台のトロッコがすれ違う瞬間、手と手をタッチしていた姿も印象的だった。舞台の背景では無数の炎も飛び交う。気持ちを熱く燃やすパフォーマンスと演出だ。

  その勢いを、さらに華やがせるように、彼女たちは、青春モードを満載に『希望的リフレイン』を熱唱。場内中の人たちを指差しながら「好きすぎて」と歌われるたびに、ハートを射抜かれた気分になる。「君だけが」と指差し歌うたびに、その指先の向こうの視線を追いかけしまう。そこには「僕以外見えてない」ですか?!


 19期研究生も加え、最後に歌ったのが『初日』。この曲を、AKB48のメンバーとして歩みだした頃のことを思い返しつつ、ずっと夢を追いかける気持ちを改めて胸へ刻むように、みんなで歌っていた。これからも『初日』は、彼女たちと、夢を追いかける彼女たちの姿へ寄り添うすべての仲間たちが、ずっと胸の内で想いを交わす歌として紡がれていく。


  アンコールの最初に披露したのが、17人(坂川陽⾹・佐藤美波・鈴⽊くるみ・徳永羚海・太⽥有紀・⼩濱⼼⾳・畠⼭希美・布袋百椛・正鋳真優・橋本恵理⼦・⼭﨑 空・新井彩永・⼯藤華純・久保姫菜乃・迫由芽実・成⽥⾹姫奈・⼭⼝結愛)で歌った『星が消えないうちに』。真っ白い衣装姿に身を包んだメンバーたちの姿が、とても眩しく、チャーミングに瞼に焼きついた。彼女たちの無垢で清楚な歌声がキラキラとした輝きを持って響くたびに、一緒にドキドキしたくなる。ときめいたこの気持ちに、もっともっとカラフルなときめきの色を塗り重ねたくなる。キュンメロなこの曲に触れている間中、一緒にドキドキしていたくなる。 

  続いて歌ったのが、卒業をした柏木由紀がセンターを担った『カラコンウインク』。まさかの、彼女がセンターとして舞台へ。前日に卒業をしたばかりとはいえ、この日、この曲を歌うためだけに舞台へ戻ってきてくれたのが嬉しい。所内中から柏木由紀に向けて熱い「ゆきりん」コールが飛び交えば、会場が、一層華やいだ景色を見せていた。舞台の上のメンバーたちもダイナミックな動きを見せながら、一人一人が恋する華やぐ乙女になり、思いきり大胆に弾けていた。

 ここで、⾏天優莉奈・⿊須遥⾹・⼭根涼⽻の3人が、マレーシアへ新たに誕生するKLP48へ移籍することが発表になった。始動は、6月1日を予定。彼女たちの新たな挑戦にも期待してもらいたい。


  最後に歌ったのが、この日のタイトルにも刻んでいた『未来が目にしみる』。曲が始まるのにあわせ、場内中の人たちが拳や手にしたぺンライトを大きく振り出した。一人一人が、メンバーらと一緒に、この日から新たな体制で動き始めたAKB48の未来を見つめながら、みんなで未来へ踏み出す気持ちを一つに結び合っていた。「目をそらすな」の言葉通り、どんな現実もすべて受け止めながら、これからも一緒に未来を照らし続けようじゃないか。

LIVE

ⒸAKB48
 

●KLP48移籍について

⾏天優莉奈・⿊須遥⾹・⼭根涼⽻がKLP48 に移籍&第1 期⽣としてデビュー。
5 ⽉31 ⽇(⾦)までAKB48 メンバーとして活動、6 ⽉1 ⽇(⼟)よりKLP48 メンバーとして活動開始予定。
※KLP48 について
マレーシア・クアラルンプールを拠点に活動を開始する新たなAKB48 グループとして2024 年1 ⽉1 ⽇に発⾜を発表し、8 ⽉にデビュー予定。現在全世界を対象に1 期⽣募集オーディションを開催中︕(2 ⽉19 ⽇から3 ⽉31 ⽇までエントリーを受付中)

【オフィシャルサイト】https://KLP48.my/

TEXT:長澤智典
 

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