FEATURE

2023.04.28
真っ白なキャンバス

真っ白なキャンバス全国ツアー2023『だから夢、だけど現』ライブレポート


 3月よりスタートした真っ白なキャンバスの全国ツアー『だから夢、だけど現』も、4月23日(日)のチームスマイル 豊洲PIT公演を持ってファイナルを迎えた。


 大勢の人たちの期待を背負った、今宵のライブ。オープニングで流れた映像にメンバーの顔が映し出されるたび、フロア中から沸き上がる声。たくさんの絶叫に誘われるようにメンバーらが舞台へ姿を現した。
  カウントを合図に、『闘う門には幸来たる』が流れだした。フロア中から沸き上がる絶叫にも似た声・声・声。その声をエネルギーに変えながら、7人は笑顔で力強く歌っていた。緊張??もしあったとしても、そんな気持ちを凌駕するほどの"楽しさ"を与える熱狂の風がフロア中から吹いていた。その風も感じつつ、メンバーたちはキラキラの笑顔で。でも、凛々しい歌声で、ここから最高の幸せの風を私たちが巻き起こすからと言わんばかりに、いつしか自信に満ちた姿で歌っていた。ネガティブな感情を、つねに力に変えてゆく真っ白なキャンバスらしい始まりだ。
 
  変拍子を多用した『ダンスインザライン』のイントロが流れだす。「踊れ!!」の声を合図に楽曲は一気に熱を持って駆け出した。騒ぐ観客たちを、凛々しい表情で挑発するメンバーたち。囲まれた環境から飛び出そうと、彼女たちは攻めるように言葉を打ち続ける。その姿に刺激を受けたフロア中の人たちが、あちこちで祭り上がる。7人は舞台の上で巧みに絡みながら、胸の内から沸き立つ熱情を、みずからを鼓舞するように歌っていた。彼女たちが「踊れ、踊れ」と叫ぶたびに、その言葉に刺激を受けて騒ぐ人たちが増えてゆく。メンバーたちに向けて熱いコールが飛びかう様も、胸に熱い。

  「ぶちあげていこうか!!」の言葉を合図に、フロア中から熱いMIXが飛びかう。メンバーたちは、バーストした爆走ロックチューン『Whatever happens, happens.』に乗せて雄々しく攻めだした。サビでキャッチーな歌を響かせ、歌声の手で心をギュッと握ってくれたのも嬉しい。彼女たちの振り上げる手の動きを真似るのみならず、ときに身体を折り曲げ絶叫する人もいたように、フロア中の人たちは、序盤から全力で、思いを舞台の上にぶつけていた。気持ちを一つにしたメンバーらの晴れた歌声がひと際輝きを持って響いていたのも、 場内に渦巻いていたいろんな熱をしっかり自分たちの懐に入れて力にしていたからか?!

  和要素を抱いた猛々しいダンスロックナンハーの『白祭』でメンバーたちは、愛らしい歌声を響かせながら、この空間に温かい一体化した空気を作りあげる。フロア中の人たちも、祭りビートに合わせて飛び跳ねるなど無邪気にはしゃげば、メンバーらも、荒ぶる演奏とは裏腹に、甘い声で観客たちへアプローチ。彼女たち自身が、曲の持つ世界観に気持ちを重ね合わせ、歌っていた。7人は歌の世界に気持ちを溶け込ませ、期待を寄せる仲間たちに最高の景色を見せるためにも、まずは自分たちが祭り上がろうと、気持ちの高ぶるままに歌い踊り続けていた。


 MCでは、高ぶる気持ちを抑えられず、興奮した言葉を次々と口にしていたメンバーたち。


  わちゃわちゃと弾けた超ハッピーでテンションもアゲアゲの『ポイポイパッ』の登場だ。メンバーたちは、心をHAPPYな色に染めあげる最高の呪文のような言葉を口にしながら、舞台の上で無邪気にはしゃいでいた。次々と曲調が変化してゆく上で、7人は伸び伸びと、この場で踊り、はしゃぐことを思いきり楽しんでいた。彼女たちは知っている、自分たちがキラキラと輝くことで、その輝きや楽しさがフロア中に広がっていくことを。だから、苦しさや悲しみみなどのネガティブな感情さえも笑顔で包み込み、全部を輝きに変えるように歌っていた。

  楽曲は、ギラギラとした眩しさを降り注ぐように『レイ』へ。惑う感情さえ、彼女たちはギラついた真っ白な輝きに変えていた。ネガティブな感情を肯定したうえで、その葛藤さえも、運命のカードをひっくり返すように前向きな力と輝きに変えるように彼女たちは歌っていた。

  止まることなく、『オーバーセンシティブ』へ。華やかなブラスの音が鳴り響くのを合図に、楽曲はさらに熱をあげてスパーク。みずからの気持ちを傷つけようが、現状を変えてやる。彼女たちの歌は、どんな状況下に置かれようと、心を一度真っ白に染めあげ、そこへ新たな感情の色を塗り重ねてゆく。それを何度も繰り返しながら、一人の女性として成長してゆく姿を映し出すことが多い。出口が見えずに葛藤する気持ちを、爆走する音に乗せて彼女たちは吐き散らしていた。心の痛みを嘆くのではなく、蹴飛ばす勢いで叫びに変えてゆくメンバーたち。その凛々しい姿勢が見ている人たちの気持ちも騒がせ、前向きな力に変えてゆく。

 ズントコとした楽団の音が鳴り響く。ここから、どんなSHOWが始まるのか、そんな期待を抱かせるように『ダウター』が流れだす。彼女たちは、心の闇の中を喧騒猛々しい楽団を率いて行進してゆく。痛い言葉を次々と掃き散らしながら、闇深い心の遊園地を力強く行進し続けてゆく。そんな妄想を頭の中に浮かべてしまうくらい、『ダウター』を歌う彼女たちの姿に、闇を蹴散らしてゆくような感覚を覚えていた。

 ピアノの音色に乗せて、「神様ねえ教えてよ」など、メンバー一人一人が痛い心の内をさらすように歌いだした。『モノクローム』に乗せメンバーたちが、みずからの心へ自問自答するように歌っていた。彼女たちは、何時だって自分と対峙するように歌う。それがあきらめでも、そこから希望を願う思いでも。その感情がどんな色を持とうと、みずからの心の救いを求めながら感情的に思いをぶつける様が、気持ちを痛く揺さぶる姿として瞼に焼きついた。痛みや嘆きさえも、彼女たちは心を奮わす力に変えてゆく。その姿が、胸をエモくさせていた。


 ライブの色を塗りかえるように、彼女たちは甘くポップな『キャンディタフト』を歌いだした。恋に恋するような無我夢中の恋心を彼女たちは歌いだす。7人は、気持ちの中をハートマーク飛び交うカラフルな空間に塗り上げる。それまで惑い、葛藤していた心が、一気にカラフルで華やかな色に染まりだす。「君がいればそれだけで強くなれる気がするよ」の歌詞の一節ではないが、気持ちがときめくほどに、舞台の上の彼女たち自身が煌めきだす。7人がキラキラと輝く眩しい姿を示すからこそ、気持ちがずっとわちゃわちゃとはしゃぎ続けていた。最期の「君が好きだ」の声にフロア中の人たちが沸き立つ姿も印象的だった。

  眩しい青春の景色の中へと連れだすように、彼女たちは『共に描く』を歌唱。メンバーたちは、物語を描くように舞台の上で戯れながら、未来に馳せるドキドキした気持ちを、ときめきを膨らませるように歌っていた。心を塞ぐのも青春なら、眩しい憧れを胸に、「1人じゃない」と、希望を胸に、みずからをときめきの景色の中へひっぱりあげてゆくのも、素敵な青春の景色の描き方だ。

 メンバーたちがわちゃわちゃとはしゃぐように楽しく歌い踊る姿に向け、フロア中から熱い声が飛びかう。メンバーたちは気持ちを晴れた色に染めあげ、幸せを分かち合うように『HAPPY HAPPY TOMORROW』を歌っていた。メンバーたちが大きく手を振り、歌い、はしゃぐ姿が、とても眩しい。カラッと弾けた天真爛漫??な女の子たちのはしゃぐ姿は、触れた人たちの心をドキドキさせる。空に浮かぶ雲のように、彼女たちもゆらりゆらりと気持ちを揺らしながら、心晴れ渡るこのひとときを満面の笑顔で楽しんでいた。

 気持ちを最高に胸キュンのハッピー気分に染めあげるブロックは、まだまだ終わらない。『メンションガール』でも、背景にダンスMVを投影。フロア中の人たちと一緒にわちゃわちゃとはしゃいでいた。メンバーら一人一人のセリフが、とても愛らしい。彼女たちの真っ直ぐな気持ちのアプローチを受け、フロア中の人たちもウキウキとした気持ちを止められず、一緒にわちゃわちゃとはしゃいでいた。

  『全身全霊』が流れだしたとたん、フロア中から熱いコールが飛びだした。メンバーたちは、高ぶる気持ちを胸に歌っていた。舞台の上で、曲の世界に染まりながら歌う7人に向け、フロア中から熱い声が飛びかい続ける。ここには、自分を変えようとしてゆく7人の姿が映しだされていた。誰かと見比べるのではなく、変われる気持ちを信じて無我夢中で走り出す。奮い立つ勇気を未来へ突き進む輝きに変えた彼女たちだからこそ、その歌声が、力強く胸に届いていた。


 真っ白い衣装姿の7人が、舞台の上で『アイデンティティ』を歌いだしたとたん、フロア中から熱情した凄まじい声が響きだした。彼女たちは、自分が生きる意味を捜し当てるように、晴れた声を響かせて歌っていた。サビ歌で大きく手を振り、ときには一人一人がなりたい自分を心の中で思い描きながら。そのうえで、僕は僕らしく生きるんだと力強く歌っていた。心を一つに、歌声を一つに、7人は思いを響かせていた。フロア中から沸き上がる熱情した声がすさまじい。


 次に披露したのが、自分の行動が誰かにとってはヒーローのように映るかも知れないという思いを歌にした新曲の『Heroism』。彼女たち自身が枠に収まることのない思いや姿をいつも見せてきたからこそ、今の環境を作りあげてきた。そんな自分たち自身の気持ちも重ねながら、7人は「踏み出せよ はみ出せ HERO」と愛らしい声で歌っていた。間奏では、メンバーらの突きあげる拳に合わせ、フロア中から多くの拳が突き上がる様も広がっていた。言葉のひと言ひと言に勇気という輝くためのエナジーを注ぎながら、彼女たちは「はみ出せ」と力強く、元気に歌っていた。

  たとえ、はみ出した結果が"ぼっち"になろうといいじゃないか。自分の気持ちを鼓舞するように。弱い気持ちを無理やりにでも奮い立てるように、彼女たちは『ぼっち』を歌っていた。メンバー一人一人の歌声には、確かな強さが漲っていた。ぼっちになることの寂しさやつらさを知りながら、そのうえで、繋がりあうことで得る喜びや笑顔を彼女たちはライブを通してつかんできたからこそ、その自信を胸に、ぼっちの心へエールを送るように歌っていた。終盤にはフロア中の人たちを巻き込み、踏みだす勇気をみんなに授けていた。

  『桜色カメラロール』が流れたとたん、フロア中から熱いクラップが飛びだした。桜の季節が訪れるたびに思い抱く、別れと、夢を抱いて旅立つ勇気。別れは、けっして悲しさだけを置いていくわけではない。そこに戻ってくることで甦る思い出と元気の種も植えつけてゆく。だから、きらり光る涙さえも、輝きに変えながら進んでいける。この歌は、その気持ちを何度でも思い返してゆく。彼女たちが「だから、さよなら」と歌うたびに、その景色の中の青春に心が染まれるのが嬉しいじゃない。

  絶叫した声がフロア中から轟きだす。メンバーたちは『SHOUT』を通し、身体を揺さぶり、声を高らかに張り上げ、沸き立つ熱情した思いをぶつけるように歌っていた。間奏でフロア中から飛びかう口上。彼女たちは、力いっぱいに歌い叫んでいた。それが、今の自分たちの生きる姿だとでも言うように。力強く凛々しいその姿に熱いエールをぶつけたい気持ちも、すごくわかる。


  アンコールは、『PART-TIME-DREAMER』からスタート。メンバー一人一人が、フロア中の人たちに向かって思いを投げかけるように歌う姿が、とても眩しく見える。彼女たちは歌っていた「誰かと手を取り合う勇気があればな」と。一人一人が歌詞の世界へ気持ちを溶け込ませ、「この世界で勝ちたい」強い意志をぶつけていた。でも同時に「ひとりでは無理だな」と、相手を求めるようにも歌っていた。その視線は、これからも一緒に同じ気持ちで未来を見てくれるフロア中を埋めつくした大切な一人一人に向けられていた。いや、そんな風に思っていたかった。

  彼女たちは最後に、この日の熱狂を、広げたページへしっかりと書き留めるように『自由帳』を歌っていた。その姿は、気持ちを青春時代に巻き戻し、あの頃の、もどかしさにも眩しさを感じていた自分に心を染めてゆくようにも見えていた。彼女たち自身がこの舞台の上で輝きながら。無邪気な少女になって、夢馳せるように歌っていた。その姿へ向け、たくさんの手がフロア中で揺れていた。真っ直ぐで無垢な姿で、ゆったりと身体を揺らしながら歌う7人が、とても輝いて見えていた。

  「まだ夢を観れるように頑張っていきます」

 ふたたびメンバーたちが登場。最期の最後に、この空間を夏フェスの会場に塗りかえるように、7人は夏の花火以上に弾けた姿で『いま踏み出せ夏』を元気いっぱいに歌っていた。突然やってきた灼熱の夏歌の風を受け、フロア中の人たちも今まで以上に高く飛び跳ねながら、みんなで思いきり打ち上がっていた。全力ではしゃいだこの景色、次はぜひ7月8日(土)に河口湖ステラシアターで行う「真っ白なキャンバス フリーライブ 2023 夏」の場を通して味わおうか。ひと足早く夏を感じたこの景色を、今度はリアルな夏の日に、ふたたび7人と一緒に味わいたい。


LIVE

PHOTO:真島洸
TEXT:長澤智典

 

セットリスト

SE
『闘う門には幸来たる』
『ダンスインザライン』
『Whatever happens, happens.』
『白祭』
MC
『ポイポイパッ』
『レイ』
『オーバーセンシティブ』
MC
『ダウター』
『モノクローム』
『キャンディタフト』
『共に描く』
『HAPPY HAPPY TOMORROW』
『メンションガール』
『全身全霊』
MC
『アイデンティティ』
MC
『新曲』
『ぼっち』
『桜色カメラロール』
『SHOUT』
MC
『PART-TIME-DREAMER』
『自由帳』
MC
『いま踏み出せ夏』

 

<インフォメーション>


2023年6月8日に”全曲生バンドセット”にて行われる「IDOL of ROCK」、そして
2023年7月8日には河口湖ステラシアターにて「真っ白なキャンバス フリーライブ 2023 夏」の開催が決定。
河口湖ステラシアターでのフリーライブは昨年に続き2年連続の開催となる。
詳細は真っ白なキャンバス公式HP・SNSにて確認を。


【公演概要】
「IDOL of ROCK」
全曲生バンドセットライブ
日時:2023年6月8日(木) 
会場:shibuya www x
東京都渋谷区宇田川町13-17 ライズビル2F
OPEN/START:18:15/19:00

「真っ白なキャンバス フリーライブ 2023 夏」
日時:2023年7月8日(土) 
会場:河口湖ステラシアター
山梨県南都留郡富士河口湖町船津5577
OPEN/START:16:00/17:00

【真っ白なキャンバス フリーライブ 2023 夏 チケット販売スケジュール】

■FC最速先行(抽選)
4月23日(日)22:00〜5月7日(日)23:59
<申込はこちら>
https://shirokyan-fc.bitfan.id/


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【真っ白なキャンバス】

PLAYYTE所属
「あなたと一緒に、大きな夢を描いていきたい。この真っ白なキャンバスに。」をコンセプトに活動する、小野寺梓・三浦菜々子・橋本美桜・西野千明・浜辺ゆりな・鈴木えま・麦田ひかるの7人組アイドルグループ。

2017年9月結成、2020年3月にキングレコードよりメジャーデビューを果たし、翌年2月にはメジャー1stアルバム「共創」をリリース。
2022年7月に河口湖ステラシアターにて「フリーライブ2022夏」を開催し成功を収め、11月には5周年ライブをTOKYO DOME CITY HALLで開催。

2023年2月28日にニューシングル「ぼっち」をリリース。
2023年7月8日には河口湖ステラシアターにて2年連続となる「真っ白なキャンバス フリーライブ 2023 夏」を開催。


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【関連リンク】

真っ白なキャンバス 公式HP
https://shirokyan.com/

真っ白なキャンバス 公式YouTube
https://www.youtube.com/c/shirokyan

真っ白なキャンバス 公式Twitter
https://twitter.com/info_shirokyan

 

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