10月12日(水)、原宿RUIDOを舞台に「Galpo! Live Show Vol.15が行われた。出演したのが、RURUDIA・wqwq・Xmachina・恋情アークライト・純真アムレット。

  この日の模様は、「ニコニコ動画」でも生配信。ニコニコチャンネルの番組「Galpo! Live Show」に月額会員登録した方は、「Galpo! Live Show」で配信したライブ動画。さらに、スピンオフ配信のプログラム映像を見れる内容になっている。
　ここでは、Xmachinaのライブの模様をお届けします。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

Xmachina

　ファンタジックな夢物語が、3人の歌声を通して目の前へ色鮮やかに映し出される。とても、期待を覚える始まりだ。Xmachinaのライブは、1本のドリーミーな物語を描くように『Kanariya』から始まった。メンバー人一人が語り部となり、 鳥籠のような世界から飛び立ち、たくさんのヒマワリの花が揺れる景色の上を羽ばたきながら、いろんな世界を見せてゆく。心がどんな境遇へ陥ろうと、その環境から自分の意志で踏み出すことで目の前の景色を塗りかられる。彼女たちは、人が心に抱え持つネガティブな感情も認めながら、心の審判を一人一人に問いかけていた。

  「見上げた空に星が舞う」。3人は『Symphony』を歌いながら、切ない恋心を描きだす。軽快に跳ねる楽曲の上で切ない心模様を歌うことで、悲しい恋心へ、より切なさが折り重なるようだ。悲嘆に暮れた心には、太陽さえも眩しく見える。でも、見上げた空に希望を求めるようにも彼女たちは歌っていた。『Symphony』に登場する主人公の心塞いだ気持ちを、3人は舞い散る桜の花びら一片一片に映しながら伝えてきた。

  楽曲は、熱を抱いて駆けだした。3人は『groove』に乗せ、ラップのように早口で暗くよどんだ言葉たちをまくしたてる。そのうえで心を光に導く思いを並べ、見ている人たちと一緒に華やかな世界へ駆けだした。曲が進むごとに華やかさを増す歌声と楽曲。パッションあふれた3人の歌声が、気持ちをわちゃわちゃと騒がせる。彼女たちの歌声が、ネガティブな心を、晴れた気持ちへ染め上げる。加速し続ける曲の上で、彼女たち自身が輝きの元になり、見ている人たちの運命を塗り替え、一緒に輝きを放つ存在になろうと誘いかける。気持ちがどんどんときめきだす。ここで終わるなんて出来やしないからこそ…。

　メンバーたちが次々と歌声を繋ぎ、重ね合う。まさに『Harmony』というタイトルに相応しい、胸をときめかせる美しい幕開けだ。3人のハーモニーを受け、楽曲は輝きをつかむように元気に駆けだした。キラキラとした音の粒を次々と振りまき駆けだす楽曲の上で、3人は晴れた歌声を重ねあわせ、触れた人たちをときめきの世界へと連れ出す。清楚で真っ直ぐな歌が、胸に爽やかな風を運んでゆく。彼女たちは星の輝き以上のきらめきと、キュンと胸を弾ませるときめきを、『Harmony』を通して降り注いでくれた。

  重なりあった3人の歌声が気持ちを嬉しく騒がせる。Xmachinaは『Magnolia』を歌いながら壮大なドラマを、身近に親しみを覚えるミニマムな世界に変えて届けてきた。どんなスケール大きな物語だろうと、3人が甘い歌声を通して描き綴ることで、その物語は、手元でギュッと抱きしめられるくらい、ジワッと熱を感じる身近な歌に変わってゆく。どんなに強いメッセージでも、彼女たちの歌声の絵筆を通すことで、親しみ覚える歌として受け止められる。その肌の温もりを覚える距離感で歌を楽しめたのが嬉しい。

  最後にXmachinaは、『Heaven』を通しクールでサイバーな世界へ観客たちを連れ出した。挑発するように3人は歌う。でも、彼女たち自身が愛らしい性格であり、優しさの塊のような存在。凛々しい表情や歌声で刺激しようとも、いつだって３人には身近な距離感を覚える。サビ歌では、メンバーたちが高く掲げた腕へ寄り添うように、フロアにいたファンたちも高く腕を突き上げていた。甘い愛らしい世界もXmachinaの魅力だが、対極として持つ凛々しい姿も嬉しい魅力。3人の挑発するようなダンスパフォーマンスも刺激的だった。

PHOTO:大野裕太
TEXT:長澤智典