FEATURE

2022.03.18
愛沢絢夏

全国各地から仲間たちが仙台へ集結。愛沢絢夏が、シンガーとして始まりを告げた仙台で初ワンマンを開催。

  福島出身の愛沢絢夏が、本格的に音楽活動を始めた地が仙台だった。今でこそ全国を舞台に活動するうえでの拠点を東京に移しているが、活動を始めてからの何年かは仙台をベースしていた。理由は、「仙台発信だろうと、東京でも支持を得るアーティスト活動ができること」を証明するため。何時しかその規模が全国に広がったことから、その後は拠点を東京に移す形になった。
  愛沢絢夏は、活動を始めた頃から「仙台に全国各地からファンを集めてワンマン公演を行う」ことを目標に掲げてきた。その目標が叶う時がきた。それが、3月6日(日)に仙台space Zeroを舞台に行った初の仙台でのワンマン公演『INSPIRE -2022-』になる。この日は、最新シングル「truth」の先行リリースも兼ねていた。制限された人数内とはいえ、チケットはSold Outを記録。じっくり時間をかけながら蒔いた種は、確実に芽ぶきだしている。
                                                  
  ライブは、この日より会場先行販売が始まった最新シングルの表題曲「truth」から幕を開けた。彼女は歌いだす「何十回 何百回世界を変えよう」と。その言葉を合図に飛びだした轟音に乗せ、フロア中からも数多く拳が突き上がれば、熱い手拍子が飛び交う。愛沢絢夏は、歌詞に込めたひと言ひと言をしっかり噛みしめるように歌っていた。「truth」に込めた想いこそが、今の自分の真実の声だと伝えるように。愛沢絢夏の放つ強いメッセージ(想いや願い)を受け止めた観客たちは、その想いを拳に変え、舞台の上に返していた。彼女の歌声が世界を変えられるのかはわからない。でも、少なくともここには、愛沢絢夏の想いに人生を救われたり変えられた人たちが大勢集まっていた。
  躍動した音がさらに身体を熱く騒がせる。愛沢絢夏の歌う「HELLO」に合わせ、フロア中から無数の拳が突き上がれば、サビ歌では会場中の人たちが、愛沢絢夏の気持ちとみずからの想いを重ねるように「Hello! Hello! Hello!」と拳を上げていた。曲が進むごとにフロアの温度が上がり続ける。いつもの光景だ。でも今日は愛沢絢夏も、観客たちも、ひと際高い勢いと気合を見せていた。
  その熱い姿勢こそが、愛沢絢夏のライブに於けるスタンダードなスタイル。続く「LIFE」でも、愛沢絢夏はフロア中から響く熱い手拍子や振り上げる腕をパワーに変え、みずからの生きざまを自身の胸に言い聞かせるように歌っていた。今でこそ外に向けて想いを発信することが増えたが、以前は自分自身の心に問い掛け、みずからを鼓舞し、振り上げる拳(力)に変えてゆくことが多かった。この「LIFE」のように…。
  振り上げた拳は降りることはない。続く「INSPIRE」でも愛沢絢夏は観客たちをけしかけるように声を上げていた。会場中に作り上げた熱気は、振り上げた拳のように下がることはない。観客たちを煽る愛沢絢夏に負けてなるものかと、フロア中の人たちが気合を込めて拳を振り上げ、声を上げる。互いに感情をぶつけあう。ここには、ライブとしてあるべき光景が生まれていた。

 「今日は私にとってすごくすごく大切な日。今まで一番のライブを更新しようと思ってる」(愛沢絢夏)。歌ったのが、活動初期から歌い続けてきた「ボクがいない世界」だ。改めて自分の原点となる地で、自分の存在意味や意義を確かめるように、愛沢絢夏は「ボクがいない世界」を歌っていた。この日の愛沢絢夏は、未来を見据えながらも、これまでの歩みを振り返り、改めて噛みしめるように歌を届けていた。果たして今の愛沢絢夏には、あの頃想い描いた理想の世界は見えているのだろうか…。いや、まだまだ遠くに霞んでいるからこそ、彼女は今も、ここで叫んでいる。
  ふたたび熱狂の世界へ連れだそうと、愛沢絢夏はハードエッジな音が身体を熱く奮わせるロックナンバー「go for it」を突きつけた。この曲も、長く愛沢絢夏のライブに一体化した熱狂の景色を描き続けてきた楽曲だ。そして、自分だけじゃなく、仲間たちへ向けての想いを明確に示し始めた頃の楽曲だ。愛沢絢夏の過去と今の感情を繋げる曲たちが、このブロックには並べられていた。フロア中で小刻みに揺れ続け気合の入った拳の山も、壮観だ。
  続く「ボクのいる場所」も、自分が歌う理由を模索し、示した曲。以前はこの歌を終盤や最後に歌い、今の自分がこの場に立って歌う意味を示し、一緒にこの場所を守り続けようと仲間たちへ語りかけていた。愛沢絢夏が守り続けている場所は、今もまだまだ小さいかも知れない。でも着実に、確実に、守りたい場所は至るところに生まれている。きっとこれからも愛沢絢夏は、いろんな土地の大切な仲間たちの前で「やっぱりここが大好きなんだ」「僕はここにいる」と歌い続けていくに違いない。それを、愛沢絢夏の始まりの場所で感じていた。みんなで声を上げ「ラララ」と合唱しながら、この場所に集うことに幸せを覚えていた。

  3月6日は愛沢絢夏の活動6周年目の日。6年前の3月6日、愛沢絢夏は仙台space Zeroを舞台にデビューステージに立っていた。MCでは、当時のこと振り返るように語っていた。
  
  「今日、6年間で一番最強で最高の日にします。手にしたタオルで最高の風を巻き起こしていこうぜ」(愛沢絢夏)。その言葉を受けて歌ったのが、同じく活動初期から歌い続けてきた「HARUKAZE」だ。この曲でも、愛沢絢夏は昔からフロアに春風どころか夏の風にも似た熱風を巻き起こしてきた。フロア中の人たちが手にしたタオルや拳をガンガンに振りまわし、その場で思いきり飛び跳ねながら、この空間に桜の花びらさえ一気に吹き飛ばすくらいの熱風を巻き起こしていた。この勢いの風に乗って、愛沢絢夏と一緒に未来まで駆け抜けたい。
  愛沢絢夏の「ぶっ壊れていこうぜ」の声に相応しい、轟音ロックが鳴り響く。愛沢絢夏は、「叫べ」「壊せ」と言葉にしていた。「stay alive」に刺激を受けた観客たちが「オーオーオーオー!!」と勇ましく両拳を突き上げながら、暴れ狂う野獣と化していた。「解き放て」「壊せ」の歌詞通り、自分を現実に縛りつける理性なんて、この曲を通して壊してしまえ。
  胸を熱くくすぐる「優しい人よ」の登場だ。愛沢絢夏が歌う胸熱な歌へ触れるたび、気持ちが熱く騒ぎだす。「この声が枯れるまで」彼女に向かって叫びたい。この衝動を止めることなど、もう出来やしない。愛沢絢夏自身が、みずからの声が枯れようとも、つねに全力で魂を突きつけてゆく歌い手だ。彼女の熱い想いと強い意思に刺激を受け、心が奮い立つ。終盤では、愛沢絢夏と観客たちが叫びにも似た歌声を交わしあう場面も登場。互いの声が、想いが枯れるまで、この気持ちをぶつけあいたい。喉が潰れるくらいに声を張り上げる、笑顔の自分でいたい。

 「今日は仙台に全国各地から集まってくれて本当に嬉しいです。いつか私は全国から仙台に集めて最高のライブをしたい夢があったけど。今日みんなに叶えてもらったよ、ありがとう」(愛沢絢夏)

  次に歌った「wake up」は、心崩しそうな自分を「負けるもんか」と奮い立たせてきた歌。自分はここで歌い続けるんだと、みずから言い聞かせる内容なのも、当時の愛沢絢夏自身が何度も自分に負けそうになりながらも、気持ちを奮い立たせてきたことから生まれている。この日の愛沢絢夏は、当時の気持ちも思い出しながら、「人生を賭けて答え探すために僕はここで歌ってるんだ」と「wake up」を歌っていた。その想いへ熱いエールを送るように、フロア中から観客たちの絶叫が響き渡る。気持ちが熱くなる。愛沢絢夏の歌や観客たちの叫び声に触れ、魂を奮わせずにいれない。
 さぁ、これまで以上に熱狂した景色を作りあげようか。そう誘うように、愛沢絢夏は「be crazy」ぶつけてきた。この曲が流れだすと、かならず「for Crazy」の声が飛び交えば、フロア中の人たちが、その場で高く高く飛び跳ねだす。誰もがクレイジーな存在となり、一緒に全力で狂ったように飛び跳ねてこそ、熱狂と興奮に包まれた世界のスタンダードな自分になれるのだから。
 勢いをさらに加速するように愛沢絢夏が歌ったのが、「もしも今日世界が終わるとしても」だ。たとえこの世界がパンデミックに陥ろうが、自分たちもその犠牲になって倒れようと、愛沢絢夏は、愛沢絢夏を支えるチーム愛沢がやり残したことを心にたくさん溜め込んでいる限りは、どんな逆境の中だろうと立ち上がり、後悔の文字を消し去る音楽で心を染めあげてゆく。大きく手を振る愛沢絢夏の動きに合わせ、フロア中でも大きく無数の手が揺れていた。
   
  ライブも終盤へ。ここに集まった仲間たちと一緒に、信じる力を胸に、共に明日へ向かって歩き続けようと誘うように、愛沢絢夏は込み上がる想いのままに「believe」を歌っていた。たとえ心が挫けそうになろうとも、胸に灯した「信じ続ける」灯火が消えない限りは、きっと愛沢絢夏は、そして僕らも、倒れることなく前へ向かって進み続けられる。負けそうな心に、愛沢絢夏が「believe」を通して熱く、温かい歌のエールを送ってくれた。
  本編最後に愛沢絢夏が歌ったのが、「OVER LIMIT」だ。限界を乗り越えるんじゃない。気持ちを一つにした僕らには、もはや限界なんか存在しない。世間の誰が何を言おうと、勝手に指さして嘲笑しようとも、そんなの全部吹き飛ばせる勇気と自信という鎧を、僕らはこの場にいることで心に武装していた。「あいつがいった言葉なんて消し去ってあげるから」と愛沢絢夏は歌っていた。その言葉を信じた仲間たちが力強く拳を振り上げ、愛沢絢夏の言葉をその腕で次々とつかみとっていた。

  MCでは、2016年3月6日にAYAKAとして活動を始めた当時の心境を語っていた。なぜソロという道を選んだのか、それはすべて自分次第。それを示そうと愛沢絢夏はソロシンガーという道を選び、6年間駆け続けてきた。その当時の想いを語れば、愛沢絢夏を支えてくれるメンバーたちやファンに向けての想いも、ここで熱く語っていた。

 アンコールの最初に歌ったのが、活動を始めて間もない頃によく歌っていたバラードナンバーの「song for」。愛沢絢夏は、当時のことを思い返しながら歌っていたのだろうか。今の愛沢絢夏からすれば、ちょっと毛色の違う歌として響いてくるが、この曲も、愛沢絢夏というアーティストを作りあげるうえで欠かせないピース。それを、改めてこの日のライブで彼女は伝えてきた。
 次に披露したのが、発売したばかりの最新シングル「truth」のC/Wに収録した「MONSTER」。この日が初披露となった楽曲は、胸をくすぐる爽快さも抱いた開放的なロックナンバー。心を解き放ち、一緒に手を振り上げ気持ちを一つにしてゆく楽曲だ。途中からテンポアップ、一気にメロコアチューンに変貌したとたん、フロア中の人たちがその場でガンガン飛び跳ね、爆上がりしていた。「MONSTER」またも愛沢絢夏のライブでフロアに熱狂と熱風を巻き起こす楽曲が誕生した。  最後に、愛沢絢夏は再び最新シングルの表題曲「truth」を歌唱。この曲を手に、そして、この日を皮切りに、愛沢絢夏は全国ツアーという長い旅に出る。「何十回 何百回 世界を変えよう 僕らはまだ未完成なまま」と愛沢絢夏は歌いながら、これからこの曲と一緒に新しい未来を切り開く旅へ向かうことへ胸を躍らせていた。この歌が、これから何十人、何百人の人たちの気持ちを変える力になってゆくのかはわからない。出来ることなら、何千人、何万人の心に革新を起こす歌になってほしいと思っている。さぁ、拳を下ろさないこの熱狂の続きは、これから、いろんな土地で味わおうか。


LIVE


PHOTO: 村長 @son_tkhs
TEXT:長澤智典


2022.03.06『INSPIRE -2022-』セットリスト
「truth」
「HELLO」
「LIFE」
「INSPIRE」
「ボクがいない世界」
「go for it」
「ボクのいる場所」
「HARUKAZE」
「stay alive」
「優しい人よ」
「wake up」
「be crazy」
「もしもこの世界が終わるとしても」
「believe」
「OVER LIMIT」
-ENCORE-
「MONSTER」
「song for」
「truth」

 

<インフォメーション>


truth リリースツアー 『WORLD OF TRUTH』 ツアー開催!
2022年4月8日(金) 吉祥寺 SHUFFLE 「12月18日 ワンマン DVDリリースイベント開催!」

『WORLD OF TRUTH』

3月06日(日) 仙台 space Zero
3月08日(火) 堺東 Goith
3月09日(水) 今池 3STAR
3月10日(木) 吉祥寺 SHUFFLE
3月19日(土) 郡山 PEAK ACTION
3月20日(日) 仙台 space Zero
3月21日(月) 下北沢 ReG
3月27日(日) 吉祥寺 CRESCENDO
3月30日(水) 赤坂 navey floor 
4月08日(金) 吉祥寺 SHUFFLE
4月15日(金) 札幌 Crazy Monkey
4月16日(土) 札幌 Crazy Monkey
4月17日(日) 青森 Quarter
4月23日(土) 郡山 PEAK ACTION
4月24日(日) 仙台 space Zero
4月30日(土) 今池 3STAR
5月01日(日) 西九条 BRAND NEW
5月03日(火) 松山 SALONKITTY
5月04日(水) 広島 CAVE-BE
5月05日(木) 福岡 OP’s
5月07日(土) 神戸 KINGSX
5月08日(日) 滋賀 BARI-HARI

『WORLD OF TRUTH』TOUR FINAL 2DAYS
6月04日(土) 下北沢 251
6月05日(日) 下北沢 251

愛沢絢夏、全曲サブスク配信決定!

愛沢絢夏ホームページ https://a-ayaka.com
公式ツイッター  https://twitter.com/aa_official1
愛沢絢夏ツイッター  https://twitter.com/ayaka_aizawa

 

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