FEATURE

2021.07.21
春乃友夢(アンダービースティー)

春乃友夢(アンダービースティー)ライブレポート!!

輝きつかむため、黒い鋼鉄の翼を羽ばたかせ熱唱!!春乃友夢(アンダービースティー)、ソロ・ワンマンライブの模様をレポート!!
  
  昨年8月、アンダービースティーのメインヴォーカリストである春乃友夢は、初のソロ・ワンマンライブをTSUTAYA O-WESTで行なった。あれから約1年弱の歳月を経過し、春乃友夢はふたたび一人でワンマンライブに挑んだ。
あのときもバンドを従えてのライブであり、今回も、ふたたびバンドと共に行なうライブになる。一つ違う点を上げるなら、2回目のソロ・ワンマンライブを行なった場所が恵比寿LIQUIDROOMと、会場の規模をさらに大きくしたことだ。今のアンダービースティーの、そして春乃友夢の実力と人気を考えれば相応しい会場だ。
  7月12日(月)、恵比寿LIQUIDROOMで行なわれた「春乃友夢2nd ワンマンライブ『Amazing Night』」の模様をここにお伝えしたい。

 

ライブ


 ドラムカウントを合図に、フロア中を震撼させるラウドで超ヘヴィなサウンドが轟いた。冒頭を飾ったのは、アンダービースティーの最新ナンバーであり、5月のワンマン公演のときに無料配布したCD盤に収録していた「Nyx」だ。アンダービースティーの歌姫として名を馳せる春乃友夢のように、彼女は、重厚な演奏をみずから引っ張りながら、伸びのある凛々しい歌声を高らかに響かせ、観客たちへ挑みかかっていた。舞台を右へ左に動きながら、春乃友夢は沸き立つ熱情を歌声にぶつけていた。彼女は舞台の上から叫んでいた、「SHOW MAST GO ON!!」「PLAY THE GAME!!」と。まさに、春乃友夢らしいイケイケな姿勢を見せた幕開けだ。春乃友夢と観客たちとの魂をぶつけあうバトルが、ここに幕開けた!!

  さらに重く激しく、黒い重厚な音がフロア中へ響き渡る。ノイズにも似た音にさえ負けないどころか、その音をみずからの歌声で牽引するように、春乃友夢はアンダービースティーの「DIVISION」をハイトーンヴォイスも活かしながら雄々しい声で歌い、叫んでいた。彼女は、背中を突き刺すバンドの音へ負けまいと戦っていた。何時も以上に喉を振り絞り、声を張り上げている様からも、その想いが伝わってきた。余裕を持ってヘヴィ&グルーヴな演奏を引っ張ってそうに見えて、じつは春乃友夢自身も、何時も以上に高いテンションとポテンシャルを持って、この日のライブに挑んでいた。身体を振り絞り、感情を振り乱し歌う様から目を離したくない!!

  「わたしは、ここいるみんながいるから夢を叶えることができるし、みんながいるからもっともっと夢を追いかけようという力が沸いてきます。そんなみんなに届けたくて書いた曲があります」。その言葉に続いて歌ったのが、アンダービースティーの「Take wing」。生バンドの演奏を背景に据えたことで、いつもの強いメロディーを持った楽曲が、鋼鉄の翼となり、力強く羽ばたきだすようにも聞こえてきた。春乃友夢は伸びのある歌声の翼をマイクに乗せ、雄々しく羽ばたかせていた。その歌声が連れてゆく景色を、もっともっと楽しみたい。

 「初めてソロでオリジナルとしていただいたのが、この曲です。当時、17歳だったと思うんですけど。当時のわたしにはすごく背伸びをした楽曲だったので、この歌と共に大人になっていけたらいいなという想いでいた曲です」

 

ライブ

 

次は、アコースティックギターのみを背景にしたアンプラグドでのライブへ。披露したのが、アンダービースティーの活動と並行し、ソロとしての活動のスタートを切るきっかけにもなった「Never my love」。とても温かいアコギの音色に乗せ、椅子に座った春乃友夢は、言葉のひと言ひと言を優しく紡ぎだすように歌いだした。愛しい人への切ない記憶を思い返すように、ときにファルセットした歌声も交えながら、春乃友夢は届かない想いを、それでも遠くへ届くようにと声を響かせ、歌っていた。心に秘めた想いを零すような歌声と、張り裂けんばかりの気持ちのままに届ける歌声とのコントラストや心の揺れが、ゆったりとしたアンプラグドな演奏を通すことで鮮明に見えてきた。だからこそ、その振幅と抑揚を持った歌声を心でギュッと抱きしめたかった。

「わたしは自分に自信がなくて。でも、自分と向きあってここまでやってきました。この曲の、「君は君を生きればいい」という歌詞が好きです。「君は君らしくいればいい」「自分らしく生きればいい」と思わせたてくれたのが、この歌です」

  バンド・スタイルに戻って届けたのが、こちらも今年誕生したアンダービースティーの新曲「mu-these」。春乃友夢の優しい歌声が響きだした。彼女の歌声に寄り添いながらも、演奏陣は重く激しい音を突きつける。歌声と演奏それぞれが自己主張しながらも、しっかりと寄り添いながら、激しくも壮大なドラマを作り上げてゆく。想いを強く込めて歌う春乃友夢の歌声や歌詞を耳が追いかけながら、荒れ狂う演奏に、身体は熱い昂りを覚えていた。何より、自分らしさを持って想いを響かせる春乃友夢の歌声に心が揺さぶられていた。

 「My Rose 抱きしめ合うこの夜に 傷をつけて 鮮やかに」と歌う春乃友夢の歌声から、楽曲は幕開けた。彼女が届けたのは、1stソロシングルの表題曲にもなった「Rose」だ。切なさや孤独、悲しみを抱えながらも、情熱に身を焦がす女性の心模様を、春乃友夢は高揚した歌声を魅力に高らかに歌いかける。彼女自身が心に妖艶な刺を持つ、でも、可憐で情熱を抱いた女性と化し、熱情した想いのまま高らかに歌っていた。みずからを薔薇のように、舞台の上へ咲き誇らせるように歌う姿が、燃え立つようにも見えていた。美しく気高く、でも痛い心も隠し持った脆いロックな歌姫としての姿が、そこには映し出されていた。

  その気高さを増幅するように、春乃友夢はアンダービースティーとして長く歌い続けている「occult propose」を歌唱。彼女は秘めた情熱を焦がすように、荒々しく駆ける演奏に乗せ、ときに激しく、ときに切なく、気持ちの揺れ動くままに歌っていた。刹那を抱いた春乃友夢の熱情した歌声が、とても華やかだ。落ちサビで春乃友夢の歌声だけが響く場面では、フロア中に彼女のカラーになる紫の光の波が大きく揺らめいていた。

  観客たちの昂る気持ちをさらに熱く掻き回すように、春乃友夢はアンダービースティーの「Black Jet」を突きつけ、フロア中の人たちを。何より、舞台上で凛々しく、雄々しく歌い叫ぶ春乃友夢自身を、感情剥き出しの野獣のような様に変えてゆく。轟音唸らせ響く音の迫力に触発され、激しく身体を揺さぶり、高く拳を突きあげずにいれない。暴れ騒ぐ観客たちを操るように、気高き女王のような姿で春乃友夢は観客たちを煽動していった。

  熱を充満させたフロアへ、もっともっと理性なんか消してしまいなよと煽るように、春乃友夢は同じくアンダービースティー・ナンバーの「raven」を叩きつけた。アンダービースティーのライブの中、つねにフロア中へ黒い轟音と真紅の情熱を撒き散らす、刹那を抱いた情熱高陽ナンバーだ。この日も雄々しき黒い翼を大きく羽ばたかせ、フロア中の人たちを引き連れ、心の空へと彼女は羽ばたいていった。群れの先頭に立ち、熱情した鋭利な歌声で、春乃友夢はその場にいた人たちの心を熱く昂らせ、一人一人の心へ黒い鋼鉄の翼を授け、高く、遠く、目指す世界へと連れだしていった。舞台のど真ん中で、身体中から熱情と歌声を張り上げて歌うその姿、とても凛々しいじゃないか。

 「みんなの顔を見て歌うと、一番は幸せな気持ちになれます。きっとこの幸せを知ってしまったら、わたしはこのステージから離れることは出来ないと思います。わたしには、やりたいことがこれしかないから。これからも成長を見たいと思ってもらえる人になれるように頑張っていきます。小さなきっかけで良いので、いろんな力をあげられるようになれたらなと思います。ちゃんと胸を張って挨拶できる人になりたいと思います」

 

ライブ

 

ここで、春乃友夢は新曲「Misty lady」を披露してくれた。熱情した、しかも超絶ハイトーンヴォイスを駆使した歌声始まりの「Misty lady」は、春乃友夢の新境地を開いた楽曲。彼女らしい情熱を抱いた楽曲だ。この歌で春乃友夢は、揺れ動く気持ちの変化に合わせ、声のトーンを巧みに変えながら、歌詞に込めた想いへ寄り添うように歌っていた。その歌は、物語を描くようにも聞こえていた。心の琴線を熱さと切なさで揺さぶると言えば良いだろうか、熱情した楽曲は、春乃友夢の歌声や歌唱スタイルにとても似合う。彼女自身が心に闇を抱えているからこそ、その黒さへ赤い情熱の差し色を加えることで、表情がとても生き生きと彩られてゆく。

  最後に春乃友夢は、沸き立つ熱い気持ちのままにソロナンバーの「Red Line」を響かせていった。胸の内に秘めた熱い想いを奮わせながら、彼女は「Red Line Red Line」と、その歌声を熱したままにフロア中へ降り注いでいった。彼女に向かって無数の拳が突き上がる。数多くの拳のパワーをエナジーに変え、春乃友夢はさらに声を高らかに、美しく張り上げながら、限界を超えた先にある熱情した景色の中へ、この会場にいる人たちみんなを連れだしていった。


 アンコールは、春乃友夢のソロナンバーであり、美しくも切ないバラードの「regret」からスタート。この曲のみオケを背に,悲哀な色を持った歌を、春乃友夢は心が崩れそうになるのを必死に抑えるように歌っていた。歌が進むほどに、その声には哀という色が加わり、その歌声で観ている人たちの心を震わせていった。歌の中に綴られた物語の中へ気持ちを染み渡らせながら、彼女は、心壊れそうなままに儚い歌声を響かせていった。言葉を、想いを噛みしめるように歌う姿にも、気持ちはずっと惹かれていた。

  「二兎を追うなら二兎を得ろ。ソロでもアンダービースティーでも、同じような夢を叶えていくことが、わたしの夢です。どちらも手を抜かずに、どちらも全力でやっていくとわたしが心に決めたことなので、それを信じてこれからも応援していただけたらと思います。みなさん、ついてきてくれますか」

 

ライブ

 

  最後に春乃友夢は、エイベックス・エンタテインメントより8月18日にリリースが決定した2ndシングルの表題曲「Shine」を歌唱。熱情した歌始まりの「Shine」は、春乃友夢にもアンダービースティーにも繋がる激しさとシンフォニック性を携えた楽曲だ。でも、春乃友夢として歌う意味を示すように、この歌は、沸き立つ熱情を昂った想いのまま胸の奥へ奥へとダイレクトに突き刺してゆく。切ない歌詞でもあるのに、この歌へ触れていると、心に光射す感覚を覚えずにいれない。ネガティブな気持ちに浸りながらも、強い光を求めたくて心の声を張り上げたくなる。そんな春乃友夢らしい姿勢と重なりあう歌だ。この歌がもっともっと、触れた人たちの心に光射す歌として輝き続けてゆくことを願いたい。

 春乃友夢は、8月18日にエイベックス・エンタテインメントより2ndシングルとして「Shine」をメジャー・リリースする (C/Wは「Red Line」)。ソロとしての活動も活発になってゆく春乃友夢。アンダービースティーと並行し、その姿もしっかりと追いかけ続けたい。


PHOTO:KURO
TEXT:長澤智典

 

<インフォメーション>

春乃友夢 
春乃友夢 2nd single…『Shine』リリース決定!!
〜2021.8.18release〜
エイベックス・エンタテインメントよりメジャーリリース!

アンダービースティー
配信デジタルリリース『YNBK』発売中。
11月25日、【日本青年館】生バンドワンマンライブ開催!

アンダービースティー Web
https://underbeasty.jp/
アンダービースティー twitter
https://twitter.com/underbeasty
アンダービースティー  公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCk9jNHvb5DGlrDD8ZSjMApA

春乃友夢(@yumu_34)

 


セットリスト
「Nyx」
「DIVISION」
「Take wing」
「Never my love(アコースティック)」
「mu-these」
「Rose」
「occult propose」
「Black Jet」
「raven」
「Misty lady」
「Red Line」
-ENCORE- 
「regret」
「Shine」

 

特集FEATURE

FEATURE
最新記事更新日 2024.12.16
イベント情報
最新記事更新日 2024.11.19
ガルポ!ズ INTERVIEW