FEATURE

2021.03.04
群青の世界

群青の世界「東名阪TOUR FINAL『COLORS』in TOKYO」ライブレポ -その先に広がる限りなく透明に近い青の世界、それを観てみたい。-

ミニアルバム『COLOR』を手に、2月に行なった東名阪ワンマンツアー。2月27日(土)に渋谷duo MUSIC EXCHANGEを舞台に行なわれた千秋楽公演「東名阪TOUR FINAL『COLORS』in TOKYO」の模様を、ここにお伝えします。

 

青せか

 

暗闇に包まれた場内。満員の観客たちが詰めかけたフロアから見えていたのは、群青色の光が照らす横長の舞台。華やいだSEに誘われるようにステージに姿を現した5人は、心を一つに結び合う。

群青色の世界へ華やかな色を塗り重ねるように歌いだしたのが、「シンデレラエモーション」。青春という物語を仲間たちと一緒に楽しもうと、5人は笑顔を浮かべ、舞台の上で無邪気に戯れながら歌っていた。その姿が眩しい無数の光の筋となり、フロア中に輝きを降り注ぐ。彼女たちが作りだした輝く青春という光に包まれ、群青色に染まっていたこの空間が、次第に冴えた蒼い色に塗り変わってゆく。5人の歌に触れ、彼女たちと一緒にここへ青春を作り出そうという気持ちになっていた。ときめいたこの感覚がたまらなく愛おしい!!!!!

舞台の上を軽やかに踊りながら、5人は「夢を語って生きていくの」を歌いだす。彼女たちの心の声が、凛々しい歌声に乗って胸に飛びこんできた。胸の内に秘めた強い想いに触発され、フロア中から熱い手拍子が飛び交う。熱情した想いを真っ直ぐに届ける彼女たち。蒼い情熱をぶつけるその姿が、胸に刺激的だ。

 壮麗でエレクトロなサウンドが会場中に拡がりだす。エキセントリックでクールなダンスビートの上で、彼女たちは切れ味鋭いダンスパフォーマンスを見せながら、胸に秘めた想いを零すように歌っていた。「Nonstop」を通し群青の世界が作り出したのは、イマジネーションを掻き立てる躍動的ながらも幻惑とした曲世界。1曲1曲表情を塗り替えながら、群青の世界は、観ている人たちに少女たちが抱えた喜怒哀楽いろんな心模様を示してゆく。

 

「みんな今日は気合入ってる?」「十分ですよ」「今日のためにみんなでセットリストを考えたの」「みんなの、「この曲聞きたい」というリクエストも入るか知れません」「素敵なライブをみなさんにお届けしたいです」など、この日に賭けた想いを語るメンバーたち。

 

薄い蒼色に染まった舞台の上で、5人は君と綴る物語を探すように「クロニクル」を歌いだした。開放感を持ったサビ歌を5人が手を上げ歌うのに合わせ、フロア中からも無数の手が高く伸びていた。かけがえのないこの時間(とき)を、5人と一緒に分かちあいたい。君と僕がいることで生まれる、心騒がせる素敵な物語。それを5人は、「クロニクル」を通して観客たちと一緒に作りあげていた。大きく手を上げ、自分の存在を示せ。それが、この歌を通して5人と交わした約束だ。

五線譜の上で、音符がわちゃわちゃとはしゃぎだす。ドキドキした冒険の旅に連れだす「Quest」の登場だ。フロア中の人たちが、5人の歌に合わせ大きく手拍子や拍手で合い(愛)の手を入れる。彼女たち自身が、ここから夢馳せる冒険の航海へ乗り出そうと、期待に胸をときめかせ、自信みなぎる表情で大きく手を振り歌っていた。僕らも群青の世界という船に乗り込むクルーとなって、まだ見ぬ夢や希望の詰まった島を目指して5人と一緒に漕ぎだしたい。この歌に触れている間中、力強く踏み出したい気持ちに心が染まっていた。

 

楽曲は表情を塗りかえてゆく。マイナー調のダンスナンバーに乗せ、5人は本当の自分を探すように…。いや、隠していた自分の本心を認める自分になろうと「ロールプレイ」を歌っていた。仮初めの自分という仮面を外し、「本当の僕はここにいる」と主張するように力強く歌う彼女たち。躍動する楽曲と5人の感情的な歌声に触発され、身体は熱を求めてゆく。

「そっと目を閉じて描く君との物語」、一宮ゆいの哀切な歌声を合図に、工藤みかが想いを受け継ぐように歌いながら、楽曲は「メロドラマ」へ。5人は、華やかな音が鳴り出すと同時に、君と一緒に歩みたい乙女の愛しい気持ちを力強いパフォーマンスに乗せ神様へ願うように歌っていた。彼女たちの強い意志を示した歌声と爽やかに弾む楽曲に触発され、フロア中から数多くの熱い手拍子が飛び交う。フロアのあちこちから、5人の動きに合わせ頭上高く手が伸びていた。落ちサビで見せた哀切な心模様に胸がキュッとしながらも、心に秘めた想いを強く願うように歌い躍る彼女たちへ気持ちを重ねながら、その姿を追いかけていた。

 

アオセカ

 

ふたたび、濃い群青色な世界が会場中に広がりだす。5人は嘆く心を「BLUE OVER」に乗せ、力強くぶつけだす。彼女たちの強い意志を示した歌に触発され、フロアのあちこちで思いきり跳ねる人たちが登場。誰もが、目の前に広がっていた群青色の世界を壊し、その先に広がる限りなく透明に近い青の世界をつかもうとしてゆく。5人も変われない自分を壊し、なりたい自分になろうとしていた。自由という本当の意味をつかもうと、その歌声を群青色な世界へ向け響かせていく。終盤には、メンバーが天に向かって力強く掲げた拳に合わせ、フロア中からも数多くの拳が突き上がり、頭上に広がる濃い青の景色を拳で突き破ろうとしてゆく光景が広がっていた。

彼女たちは、熱情した声で「アイ・ワナ・ビー」を歌いながら、成りたくない自分を脱ぎ捨てようとしてゆく。5人はモノクロの心を壊し、みずからの心に色を塗り込むように歌っていた。自分らしさを認められずに揺れる思春期特有の心苦しさを彼女たちは壊そうとしていく。「大丈夫、本当の自分になれる時間はまだまだある」。そんな風に自分たち自身に言い聞かせるように「アイ・ワナ・ビー」を歌いながら、その気持ちを、会場に足を運んだ人たちにも、自分らしく生きるのは素晴らしいことだと伝えていた。

 

 後半戦は、観客たちと一緒に眩しい青春の日々へタイムスリップするように「青空モーメント」からスタート。青春という眩しい瞬間瞬間を僕と君とで一緒に作りだそうと、彼女たちは誘いをかけてきた。誰もが心のシャッターを次々と切りながら、彼女たちが見せてくれた眩しい青春という物語を心のフォルダに保存し続けてゆく。5人が優しい笑みを浮かべ誘いをかける姿に、胸がキュンキュンときめかずにいれない。その眩しさにやられ、僕らの心のフィルムはハレーションを起こしていた。その眩しい姿にドキドキするあまり、シャッターボタンを押す指先がずっと震えていた。

舞台上を照らす眩しい白い光に包まれながら、彼女たちは力強く躍動したパフォーマンスに乗せ「青い光」を歌いだす。彼女たち自身が気持ちを騒がせる太陽のような存在になり、観ている人たちに心騒がせる陽射しを降り注いでいった。歌が進むごと、心が雲一つない蒼い空のように晴れ渡ってゆく。この感覚が堪らない。

胸に抱いた感情をすべて解き放つように、群青の世界はミニアルバムの表題曲「COLOR」を歌いだした。誰かの色じゃなく、自信を持って自分だけの色(個性)にみずからを染め上げればいい。彼女たちは、自分たち自身へそう言い聞かせるように歌っていた。群青の世界が着実に支持を集めているのは、他の誰とも重ならない自分たちの色を5人それぞれが放っているからだ。その身から放つCOLORが強くなるほどに、その輝きに魅せられ「好き」と想いを寄り添える人たちが増え続けている。彼女たちは、今日も「僕らの色」を探していた。その眩しい色を放つ姿へ惹かれるたびに、群青の世界を追いかけたくなる。

いろんな心模様を描いてきた、今宵の物語。観客たちと一緒に作り続けてきたカラフルな物語を一つの章としてまとめるように、5人は「最終章のないストーリー」に乗せ、大きく伸ばした指先をペンにしながら、仲間たちと一緒に忘れたくない想い出を蒼いテキストへ綴りだす。メンバー一人一人が、この会場に訪れた一人一人が、この日一緒に作り上げた物語が消えないようにと、心のペーパーバックにしっかりと記していた。

 

「僕はここにいる 君もここにいる」。アンコールは、互いの存在を認めあうように歌う「アンノウンプラネット」から始まった。君と僕とで一緒に高鳴る鼓動を鳴らしながら、同じ夜空の下(ライブ空間の中)で、このひとときを大切に感じあいたい。どんな深遠な蒼の世界にいようと、彼女たち自身が5つの星の輝きとなり、いつだって道標となる光を降り注いでゆく。だから僕らは、その輝きに吸い寄せられるように集まる。今宵の5つの光は、いつも以上に輝きを放っていた。その姿に魅せられながら、「アンノウンプラネット」を歌う5人の姿をジッと見つめていた。

最後に群青の世界は、自分たちの未来へと続く道標をみずからの歌声で照らしながら「未来シルエット」を歌いだした。フロア中から響く手拍子や熱い視線も輝きに変え、照らした道標の先にあるまだ暗いシルエット姿の未来を追いかけていた。彼女たちは、一緒に寄り添いながら未来をつかもうと誘いをかけてきた。この会場にいる誰もが、群青の世界が未来でつかむ透き通る蒼の世界を一緒に見たくて、5人に心でエールを送っていた。共に歩む手を、5人に力強く伸ばしていた。

 

群青の世界の3年目の活動はまだまだ始まったばかり。この日観た景色は、まだまだ広がってゆく。その先に広がる限りなく透明に近い青の世界、それを早く観てみたい。

 

写真:Tam
取材・文:長澤智典

 

<セットリスト>

「シンデレラエモーション」
「夢を語って生きていくの」
「Nonstop」
MC
「クロニクル」
「Quest」
「ロールプレイ」
「メロドラマ」
「BLUE OVER」
「アイ・ワナ・ビー」
MC
「青空モーメント」
「青い光」
「COLOR」
「最終章のないストーリー」
-ENCORE-
「アンノウンプラネット」
「未来シルエット」

 

<インフォメーション>

Spring One-man Live

『Brand New Day』

日程:2021/4/3(土)
会場:SELENE b2
時間:開場:17:00/開演:18:00
チケット:
Sチケ¥5,000(最前席)
Aチケ¥3,000(優先入場)
Bチケ¥1,000
https://eplus.jp/gunjonosekai0403/
※先行抽選
3/1(月)20:00-3/10(水)23:59



ミニアルバム『COLOR』
配信リリース!!
https://linkco.re/6HD4n3Z3

 



群青の世界

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