緊張の高まる中、この広い会場から、メンバーの気合をいれる声がこだまする。会場前のBGMが途切れ、鍵盤の旋律からライブは始まる。そうこの日は生バンド構成でのライブだ。壮大な鍵盤の旋律にのせられて、３人がそれに促されるように登場する。「６周年行くよ！」の声を合図にライブがスタート！

まずは、「NEVER ENDING STORY」から、今日からまた終わらない物語が始まる。夢を夢で終わらせないと歌い上げる。ライブハウスならではのお立ち台に乗って客席を煽る。スイングしながらのダンスは開幕にふさわしい盛り上げを見せる！「猟奇的You&Me」続けざまに、エモティックナンバーに突入だ。ドラムのビートがきもちいいこの曲に、３人の歌声は負けていない、むしろいつもよりも力強く聞こえるのは今日の気合いの表れだろう。松井さやか、塩川莉世、小倉月奏の３人は、ボーカル力が高い、ハードロックに仕上がった「私の絶対領域」でもただのロックではなく彼女たちなりの叙情的なスパイスが加えられた声で奏でる。生バンドにも負けない、その声の強さはもうボーカリストとしての歌声となっている。フォーメーションも激しいわけでもなく静かなわけでもなく見ていて"ちょうどよい" ボーカルをおろそかにしない彼女たちのその動き。ただ一つ一つの所作は難易度が高く、むしろベースがしっかりしている３人だからこそ、カッコよく見せられる、それが転校少女*の実力なのだろう。

松井さやかは、少しハスキーに感じる歌声に低音が出ることが才能だろう。混じる吐息も彼女らしさ、感情がパフォーマンスに乗っかると、真骨頂が見える。塩川莉世のボーカル力、高めのキーから下ろしてくる声はどこまでも出るボーカルというパワーを抑え込めながらコントロールするかのような表現だ。今日のように会場が広く客席が遠くても、すぐ目の前にファンがいるかのようなパフォーマンスをする。⼩倉⽉奏は、可愛い中に力強さを感じる。歌い方はまさにアイドルだがそうではない芯の部分を感じる。ベースがしっかりしているからこそのダンスパフォーマンスは、"トメ"の美しさが気持ちいい。

7月から再開した有観客ライブ。そのステージに立った時のことを忘れない。ステージが尊いことを忘れない。と語った松井。まさにそれを感じるステージが続く、自粛期間中に増えたアレンジを加えた曲たちを届ける。

「さかさまの世界」迷子になった彼女たちは、これからの未来を探すように歌う。彼女たちの行き先は今、目の前にいるファンが示してくれるのか自分たちが切り開くのか。「She’s Rain」つなぐ世界は、そのまま、するっと曲が移り変わる。生バンドならではのアレンジで地続きのまま曲が展開していく
、塩川の声がより叙情的に響く、少し掠れて聞こえる声が雨に佇む少女を感じる。「Winter Wish」
さらに、繋がるメロディは、ミディアムバラードに。ユニゾンする二人の重なりが、心の機微を感じる。揺れる感情が会場中に響き渡る。

この6年を振り返りながら思い出を語る。特に松井と塩川は、初期メンバーでこの６年間、転校少女歌撃団から転校少女*へ移り変わりとともに過ごしてきた。2016年11月「With You」にて新しいコンセプトへと新しい階段を上った彼女たち、文学的、そしてエモーショナルを目指し、今のコンセプトになってからの代表曲を歌う。

静かにプロローグから鍵盤の音に乗せられて、壮大なエピローグへ続く「銀河列車」徐々に明るくなっていく展開は、未来へ向かう列車に乗った気分だ。そこからストリングスの展開へ「この世界にサヨナラして」３人でただ正面を向き、自分たちの選んだ道を見据え、現コンセプトが始まった歌「With You」感情たっぷりに歌り、テンポラリーのように体でも想いを表現する。まだまだエモーショナルな楽曲が続く
「ショコラの独白」巡るボーカルによってより浮かび上がる切なさ。終わらない旅はまだこれからと「プロムナードの足跡」へ。

彼女たちはプロフェッショナルだ。アイドルとは成長過程も楽しむのも醍醐味のひとつだが、彼女たちのステージは完成されていて、それが見えない。ステージからはバックグラウンドが見えてこない、それこそがプロだからだ。今、目の前で見えているものが全て、ステージが全てだと表現をする。彼女たちは、パフォーマンス中、アイコンタクトをほぼ取らない、しなくてもいいのだ。それくらいのレベルのパフォーマンスをする、そしてその彼女たちはファンを見るそして、その先の、この広い会場の一番後ろよりもさらに先を見る。

ドラマティックに展開する「星の旅人」。転校少女*の名称についている"アスタリスク"は、星の意味もあってつけた。その輝く星空が夜が明けていく　僕と出逢ってくれてさ、ねえ、ありがとう　と。

ここからは本編ラストスパート「WOW WOW TRAIN」「WONDER WAVE!」と盛り上がる曲が続く、ラストは「TRIGGER」。ハードにアレンジされ、ベースのビートに彼女たちは歌う。心踊るビートに負けないように歌う声がなんともエモい。最後に飛んだ花火は、これから新体制を迎えるトリガーが引かれた音のようだった。

鳴り止まない拍手のアンコールがあり「終わらない世界」から始まる。各メンバーがデザインをしたTシャツ姿で登場、黒のミニスカートも相まって、優しいメロディが爽やかさを誘う。

ここでお待ちかねの新メンバーの登場だ。それぞれがドラムロールとともに呼ばれる。
TikTokが得意な帰国子女 佐藤かれん、人を楽しませることが好きな成島有咲、ダンスが得意な佐々木美紅、３人とも緊張の面持ちでそれぞれ加入のきっかけを語った。

６人での初めてのパフォーマンスは、「ときめけ☆アフタースクール！」ちょっと懐かしさも感じるこの楽曲に６人のフォーメーションが映える。得意と言っていた佐々木を筆頭に３人ともダンスのクオリティは高い。成島はステージングのうまさが目立ち、佐藤はしなやかに踊る姿に可憐さを感じた。

初パフォーマンスを終え３人が感想と意気込みを語る
「この中で唯一、未経験ということで、右も左もわからず緊張しているけど、ダンスも歌も、（私が）入ってよかったなと思えるように頑張っていきますのでよろしくお願いします！！」（佐藤）

「裏にいた時は緊張してたけど、出てみたら、ファンのみんなが優しそうな顔で見守ってくれて、リラックスしてできました。こんな素敵なグループに受かったことが夢のようで嬉しいですけど、先輩たちがここまで守って守り抜いたこのグループをさらに大きくしていきたいので、応援よろしくお願いします！！」（成島）

「本当に楽しくて緊張なんかどっか行っちゃいました。このグループに絶対入りたいと思って入ることができたので、私の全てを尽くして頑張っていきますので応援よろしくお願いします！！」（佐々木）

そしてこの日は６周年ライブということで６つの発表があった

１つ目は、新メンバーのお披露目
２つ目は、“水着でアイドル頂上決戦”にて松井さやが優勝！週刊SPA! 1月19日売り号にて転校少女*が表紙を飾るとのこと
３つ目は、2021年1月19日 TSUTAYA O-WESTにて新体制本格スタート
４つ目は、2021年春メジャー2ndシングルリリース！！
５つ目は、2ndシングルカップリングは「ときめけ☆アフタースクール！」が新体制バージョンで収録
６つ目は、2021年春より全国ツアー決定！

いづれも詳細＆続報は随時公式サイト及び公式Twitterで発表されるので要チェックだ。

この日のライブラストは「Girl*s Time」 で締めくくられた。新メンバーが同時に３人も加わりこれから新たな進化の時を迎える転校少女*、春のツアーを経て１年後、７周年を迎えた時にどんな彼女たちに会えるのか、楽しみだ。

＜セットリスト＞

OP Overture
1 NEVER ENDING STORY 
2 猟奇的You＆Me 
3 瞬け、プルート　
4 私の絶対領域
5 情熱リボルバー
6 PAINT GIRL 
7 Mr.Dream 
8 さかさまの世界
9 She’s Rain 
10 Winter Wish 
11 Mad Good Love 
12 銀河列車
13 この世界にサヨナラして
14 With You
15 ショコラの独白
16 プロムナードの足跡
17 星の旅人
18 WOW WOW TRAIN
19 WONDER WAVE!
20 TRIGGER
-アンコール-
EN1 終わらない世界
EN2 ときめけ☆アフタースクール！
EN3 Girl*s Time

転校少女*バンド
Key,バンドマスター：村山☆潤
Key：吹野クワガタ
Dr：青山英樹
Gt：佐藤裕晃
Ba：宮本將行

取材・文：もりたはぢめ