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FES☆TIVE ワンマンライブ~近藤沙瑛子卒業公演~ライブレポ「これからの私もFES☆TIVEも応援したいなと思ってくれたらこのライブは成功です。」
ソールドアウト超満員となったFES☆TIVEワンマンライブ~近藤沙瑛子卒業公演~。オープニング映像が流れ、青葉ひなり、真野彩里愛、近藤沙瑛子、南茉莉花、土光瑠璃子、八木ひなたの6人がステージへ。近藤のラストのステージという中、すごくいつもどおりだ。ただいつもと違う光景は、会場一面に緑のサイリウムの花が咲く。声を出せない分、粋なファンからの演出がオープニングを飾る。
「学祭エモーション」から始まるライブは、いきなり爆上げだ。FES☆TIVEらしく、大いに盛り上がっていく、『みんな大好きだ、仲間だから』の声に、ファンもクラップと緑のサイリウムで6人のパフォーマンスに応える。いつでも全力全開のFES☆TIVEは、この日もスタートから飛ばしていく構成に、声が出せない状況であっても客席も早くも汗だくだ。普段は客席から聞こえるコールもメンバーが入れることで、ライブ感を失わないようにする気遣いもニクい。「夏色とりどリボン」では、『キミが好きだよ』と近藤に向かって全員伝え、近藤がありがとうと照れる場面も6人の絆を感じる。
近藤が考えたというこの日のセットリストは、歌いたい曲が多すぎてメドレーパートもある豪華な構成だ。そしてFES☆TIVEを2年半務めてきた彼女だからこそ、練られたセットリストになっているので、ぜひ改めて見直して欲しい。
前半のクライマックスであるメドレーパートは、ある意味ドSなセットリストだ。ダンスナンバー、クールなナンバーが続く、「Crystal Bullet」では、青葉、真野、土光のソロダンスで会場を魅了する。普段は、客席との掛け合いなどファンを一緒にライブを作る彼女たちだがこのパートでは、魅せるに重きをおき自分たちが楽しむ姿をファンに見せつけているようなパフォーマンスだ。
FES☆TIVEは、運動量がアイドルの中でも群を抜いて高い。見ててもわかるその動きの量の多さでも、彼女たちは一切の妥協はない。休むヒマもないパフォーマンスから、彼女たちのテンションは作られているのかもしれない、ある意味追い詰めていくその運動量は、変に取り付くしまもなく、感情がむき出しになる。彼女たちの魅力の芯の部分がステージからパフォーマンスからさらけ出すからこそ、FES☆TIVEのステージには魅了されるのだろう。
ここから後半戦、メドレー終わり「ゆらゆらゆらり恋心」から、和テイストの楽曲へ。沸き曲から叙情的なものまでバラエティに富む。青葉ひなりは、やっとウォーミングアップが終わったとばかりに、一段ギアを上げてダンスのキレをます、その細い体のどこに詰まっているのかというくらい底なしに感じる体力とダンス、歌そして表現力、全てのレベルが高いパフォーマンスを惜しげも無く魅せてくるのは、やはりグループの中心に彼女は欠かせない。
真野彩里愛は、表情から魅せてくる。そもそもダンスのクオリティがピカイチだが、それに加えて体の動きを把握しているのか誰よりも大きく見える振りをしてくる。そして客席が誰よりも見えているのが彼女だろう客席と会話をする姿につい目が行ってしまう。
土光瑠璃子は、なんと言ってもそのボーカル力だ。唯一無二のその少し低めの独特の声は、6人の中心にある。常に全力で歌う姿に込めた想いがヒシヒシと伝わる。曲ごとに表情まで変えてくるその姿は、ただの表現者ではなく曲を演じているのだろう。
南茉莉花、彼女こそがステージの中心だろう、いや芯といった方がいいかもしれない。バランスを保ちつつステージ全体を見ているようだ。前に出る部分、そうでない部分の見極めがすごく上手い。ボーカルでも高音から支える。目立たない部分で彼女が支えていることは多いのではないだろうか。
八木ひなたは、高身長とスタイルの良さでステージ映えする。激しい動きが多いこのグループでは特に見応えがある。しなやかに踊る姿は八木にしか表現できないものだろう。数ヶ月でここまで仕上げてきたのは、持っているものが違うのだ。これからもっとFES☆TIVEに染まっていった時の姿を見るのが楽しみだ。
近藤沙瑛子は、とても頭がキレるのだろう。自分の容姿の何が魅力かをしっかり見極めていて、何よりステージに真摯な姿がとにかく彼女らしさではないだろうか。小さい体に秘めたパワーと、独特の歌声。ステージでは誰よりも冷静に、常に一歩引いた自分を見ながらパフォーマンスをしているようだ、だからか感情の出し入れがとても上手い。そして、近藤のソロパートへ
乃木坂46の「失いたくないから」をカバー。独特の少し"かかる"歌声で、まっすぐにただまっすぐに気持ちをのせる。少しかすれている歌声が今日ここまで全力でライブを楽しんでいるのを物語る。恋心を歌うこの歌だが、ファンとメンバーに向かってのメッセージのようだ『誰かを好きになるのは一人になりたくないから』と歌う近藤は、FES☆TIVEを飛び出して一人新たな道を歩む。この日の曲数に対し1曲だけにしたソロパート、みんなと笑って卒業したいと話す彼女は、FES☆TIVEへの愛情と感謝を強く感じる。この先の自分のことよりも、残るメンバーのことを考えてしまう、それこそが近藤沙瑛子の人柄なんだろう、魅力なんだろう。
ここからは全員がTシャツをアレンジした衣装に着替えて登場。メンバーカラーをあしらった袖のフリルがお祭り感を演出する。ここからは汗だくになっても大丈夫!!と言わんばかりに「summer jumping」でタオルを振りながらパフォーマンスをする。ラスト前でさらに盛り上げる「しゃかりきトップランナー」オンリーワンのトップランナーは、後半になっても歌もダンスも全力でないと成立しないライブを贈り続けてくれる。
近藤は、最後のあいさつでこう伝えてくれた、
「今日の卒業公演へ遊びに来てくれて本当にありがとうございます。1年前から卒業のことを少しづつ考えていて、今回FES☆TIVEを卒業することを決断させていただきました。みんなにどうしてどうしてと聞かれちゃうことも多かったんですけど、今の自分の気持ちを優先して卒業を決断しました。でも前向きな卒業です。このセトリにすることは難しいことで、いろんな大人の人が協力してくれないと完成しないワンマンライブです。今回どうしても曲を絞らなくていけなくて、今日しない曲でも、思い入れがあって、自分のやりたい曲もありましたが、このワンマンライブがこれからのFES☆TIVEにつながるようなワンマンライブを作りたいと思ってセトリとか演出とか作らせていただきました。これからも自分のこともFES☆TIVEも応援したいなと思ってくれたらこのライブは成功です。
こんなにたくさんの人が私の卒業公演に来てくれて嬉しいです。最後まで楽しんで行ってください。ありがとうとざいました。」(近藤沙瑛子)
土光の『ラストスパート行くぞー』の掛け声に「マジカルパレード」が始まる。手ぶり身振りやジャンプで会場は感謝を伝える。盛り上がりが約束された曲たちに、ステージの熱気にフリコピで応える姿は、言葉はなくとも会場が一体になることを証明する。メンバーそれぞれ涙を目に浮かべ、近藤とアイコンタクトをとる。この6人でリリースをした唯一のシングル「心拍白昼夢(シンパクデイドリーム)」、近藤こだわりの落ちサビのソロパート『いつだって いつだって』の部分、今までのどれとも違う力強さと決心と覚悟を感じた。本編ラストは「ぼくたちの輝き」近藤の言葉を借りるならば、近藤自身もFES☆TIVEのこれからにもお互いに向けた曲だ。『壮大な空へとキミを共に駆け上がると「誓った」』と歌い締めくくられた。
カーテンコールのような拍手に後押しされアンコールへ
FES☆TIVEらしく最後までお祭り騒ぎだと言わんばかりに「お祭りヒーロー」から、もうこれしかないでしょと最後の最後は「ハレとケあっぱれジャパニーズ」へ!『2年半ありがとう。楽しかったです』と叫ぶ近藤は、長丁場のライブで終始楽しそうに笑顔でいたことが印象的だった。
<セットリスト>
01.学祭エモーション
02.大和撫子サンライズ
03.ドートゥフェス
04.いろはおんど
05.de pandemic
06.夏色とりどリボン
07.進めジパング
08.カマキリさんVSひつじさん
09.ディスコ列島
メドレーパート
10.夢花火
11.真夏の余熱
12.Crystal Bullet
13.サカサマサマー
14.Unknown wars
15.ゆらゆらゆらり恋心
16.大江戸爆裂花火姫
17.ホムラノシズク
18.シダレヤナギ
19.失いたくないから(近藤ソロ)
20.summer jumping
21.OIDEMASE極楽
22.恋紅葉
23.しゃかりきトップランナー
24.マジカルパレード
25.FESTIBUESKY
26.心拍白昼夢(シンパクデイドリーム)
27.ぼくたちの輝き
-アンコール-
Ec1.お祭りヒーロー
Ec2.ハレとケあっぱれジャパニーズ
取材・文:もりたはぢめ
写真:仲西一成
<リリース情報>
FES☆TIVE 11thマキシシングル 好評発売中!!
2020年9月30日発売
「心拍(シンパク)白昼夢(デイドリーム)」
<収録内容>
Type-A
TKCA-74891 ¥1,091+税
01. 心拍白昼夢(シンパクデイドリーム)
02. サカサマサマー
03. Crystal Bullet ~真野・南Rap ver.~
04. 心拍白昼夢(シンパクデイドリーム)(Instrumental)
05. サカサマサマー (Instrumental)
06. Crystal Bullet ~真野・南Rap ver.~(Instrumental)
Type-B
TKCA-74892 ¥1,091+税
01. 心拍白昼夢(シンパクデイドリーム)
02. カマキリさんVSひつじさん
03. Crystal Bullet ~青葉・八木Rap ver.~
04. 心拍白昼夢(シンパクデイドリーム)(Instrumental)
05. カマキリさんVSひつじさん (Instrumental)
06. Crystal Bullet ~青葉・八木Rap ver.~ (Instrumental)
Type-C
TKCA-74893 ¥1,091+税
01. 心拍白昼夢(シンパクデイドリーム)
02. 本能寺の恋(れん)
03. Crystal Bullet ~近藤・土光Rap ver.~
04. 心拍白昼夢(シンパクデイドリーム)(Instrumental)
05. 本能寺の恋(れん) (Instrumental)
06. Crystal Bullet ~近藤・土光Rap ver.~(Instrumental)
<インフォメーション>
FES☆TIVE公式サイト:
http://festive.rizepro.net/
FES☆TIVEレーベルサイト:
https://www.tkma.co.jp/jpop_top/festive.html
公式Twitter:
https://twitter.com/FESTIVEofficial