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2020.07.19
リリスリバース

その曲が持つドラマが心痛いほど、彼女たちの姿も凛々しく感情的に見えていた。リリスリバース、始動ライブの模様をレポート!!

 「感情剥き出しのライブパフォーマンスでフロアを解き放つ4人組アイドル」をキャッチコピーに、活動の狼煙を上げたリリスリバース。メンバーは、元HAMIDASYSTEMのミコト、シイカに、アサギ、モエギを加えた4人編成。「HAMIDASYSTEMの後継グループとして一部楽曲を引き継ぎながらも、感情剥き出しのライブパフォーマンスでフロアを解き放つ4人組アイドルとして、フロア巻き込み型パフォーマンスへ昇華させる」と語るように、これまでの経験を活かしつつも、彼女たちは、ここから新たな物語を綴り始める。

分厚い白紙だらけの本の最初のページに一歩目の足跡を記そうと、リリスリバースは7月13日に渋谷WWWを舞台に「リリスリバースお披露目公演~RESET&RELOAD~」を「無観客生配信ライブ」という形で行った。

共演した始発待ちアンダーグラウンド/爆裂女子-BURST GIRL-/RAYのステージを受け、イベントのトリを飾る形でリリスリバースがステージに登場。さぁ、ここからは当日の模様をお伝えしたい。

 

リリバ

 

配信中のモニターに映し出されたノイズな音と映像。頭を攪乱させるサンドノイズが途切れたとたん、突如、画面にメンバーたちの姿が現れた。まさに不意をつかれた形で、リリスリバースのライブは幕を開けた。

 

 無機質なデジタル音と感情的な生音がポップに絡み合う。4人は、エレクトロ/バンドサウンドをミックスアップした楽曲に載せ、あえて感情を抑えながら「リセットロード」を歌唱。この日のライブでは、配信だからこその利点を利用し、デジタルエフェクトを多用。画面上に様々な幾何学模様や歌詞を映しながら、彼女たちの姿や楽曲へ、さらに想像を掻き立てる彩りを投影。「真っ白にリセットして」「真っ黒にリロードして」と歌うメンバーたちも、楽曲が熱を上げるのに合わせ、熱した想いを次々と上書きしていく。どんどん速度を上げながら高ぶるダンスビート、その激しさへシンクロする形で4人も声を荒らげだす。サウンドと感情が共鳴しながら歌の表情を際立たせてゆく様が、とても刺激的だ。華やかなパフォーマンスからも目を離せない。

 

浮遊感を持ったテクノデリックな音色と力強く躍動するエレクトロなビートを重ねあわせたサウンドに載せ、4人は一体化したダンスパフォーマンスを披露。「夏色」、それは灼熱の暑さではなく、身体の内側からジワジワと熱を沸き立たる不思議な高揚感を持っていた。彼女たちは抑揚を持った歌声をはべらせ、触れた人たちの気持ちを異世界へ導いてゆく。どの楽曲も、感覚の螺子を心地好く歪めてゆく音世界を描き出している。その音にまどろんでいたのも、束の間。何時しか、彼女たちの熱を抱いた歌声と、抑揚しながら熱を上げるサウンドに合わせ、気持ちも高ぶっていた。

 

 ここからは、HAMIDASYSTEM時代の楽曲をリリスリバースのスタイルに変え、投影。これまで2人で作りあげてきた楽曲を4人で表現することで、fマンスにダイナミックさが加わった。哀愁と刹那浪漫を抱いた「solid / down」を通して4人が表現した。妖しく、心乱す表情。けっして熱情的な歌声ではない。むしろ、触れた人たちの感情を奈落へ落としてゆくように彼女たちは誘いかける。それは、ローレライの歌声に心惹かれ、何時しか溺れてゆく感覚と似ていた。まるで、舞台劇を描くように歌い踊る4人。影を背負った表情にも惹かれれば、互いに歌をかけあいながら楽曲をドラマチックに構築してゆく様にも、耳が、心が引き寄せられていた。

 

 続く、HAMIDASYSTEMナンバーの「傷の音」では、次第に熱を上げる壮大かつ躍動的な楽曲に乗せ、これまで以上に感情的な歌声を響かせながら、4人は壮麗さと躍動混じり合うステージングを描き出していった。激情してゆく曲の表情と4人の昂る感情がシンクロし、そこにドラマを描き出す。メンバー一人一人が、物語を彩る主人公となり、もがく感情を、吐き出したい気持ちのままに歌声にぶつけてゆく。淡々とした表情と熱を抱いた感情を交錯させながら描く物語が、とてもいとおしい。

 

HAMIDASYSTEMナンバーシリーズの最後を彩ったのが、「存在しないぞんざいな愛」。秘めた心模様を熱く告白するように歌う様に、痛い浪漫を覚えていた。口に出して言えない秘めた想いを、彼女たちは吐き出すように。いや、告白するような心の叫びとして響かせていた。リリスリバースは、1曲1曲に刻んだドラマを、その身へイタコのように投影し表現してゆく。その曲が持つドラマが心痛いほど、彼女たちの姿も凛々しく感情的に見えていく。

 

リリバ

 

MCでは、とても明るい声でトーク。楽曲の世界観とは異なる表情を見せてゆくところも魅力だ。メンバーらも、短い時間の中とはいえ、わちゃわちゃはしゃいでいたのも印象的だった。ここでは、8月8日に新宿ロフトでミコトとアサギの生誕ライブを行うことも発表。その日が、リリスリバースとしては初となる観客を入れたライブになる。

 

最後は、リリスリバースのナンバー「ジュブナイル」へ。ふたたび画面上へグラフィックや歌詞を映しながら彼女たちが描きだしたのは、乙女の心の内側に秘めた黒い感情。それをサイコヒステリカルなエレクトロ音を通し、リリスリバースは色鮮やかに、華やかに描き出す。どんどん躍動を増すダンスビートに合わせ、彼女たちは「壊し合って踊りたい」「この手とり 敗北のダンスを」「独善的非行少女よ走れ」と力強く歌っていた。胸を騒がせるエレクトロな音の上で華やかに歌い踊りながら、4人は、無邪気に戯れる黒いドールとなり、観ている人たちを挑発してゆく。「無観客生配信ライブ」という環境さえも気にすることなく、4人は、自分たちの気持ちが沸き立つままに笑顔で歌い踊っていた。黒いパーティを主催したリリスリバースは、早くもその続きを求めウズウズしているようにも見えていた。

 

ついに動きだしたリリスリバース。これから彼女たちがどんな動きを示してゆくのか、その動向をぜひ追いかけて欲しい。

 

 

取材・文:長澤智典

 

<セットリスト>

01. リセットロード
02. 夏色
03. solid / down
04. 傷の音
05. 存在しないぞんざいな愛
06. ジュブナイル

 

<インフォメーション>

公式サイト
https://rilisreverse.com/

公式Twitter
https://twitter.com/RILISREVERSE_JP

公式Instagram
https://www.instagram.com/rilisreverse_jp/

 

 

 

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