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「能登有沙(す?)の1ヶ月遅れのBirthdayParty」ライブレポート
ハロプロエッグから始まった彼女のキャリアは、様々な経験を経て声優、モーションアクター、タレント、MC、ダンサー、振付師、歌手などなどマルチに活動するようになった。この日のバースデー単独ライブは、現事務所に移籍してから初めてとなる、久々に能登の歌声をたっぷり聞ける公演とあり、会場内はファンのみなさんの期待で空気がそわそわしていた。
不思議のアリスに見立てた世界観、青と白のエプロンドレスに大きな青いリボンをつけた身を包んでまさにアリスの格好で登場の能登有沙。1曲目は「Melancholic Sunshine」。いきなり会場は総立ちになり、コールで彼女の歌声に応える。歌詞の中に"これからもよろしくね"のフレーズがあり、移籍して初ライブということで1曲目に選曲したとのこと。よろしくねと挨拶の意味もあるだろうが今日来てくれてありがとうの意も込められているように感じられた。
続いて「Making Of Especially」「Addicted」とデジタルサウンドのポップな曲とリズムの効いたロック曲とバリエーションを見せる。振り付けも完璧にこなし、パワフルに歌い踊る。
そして、ここからはゲストの声優 大関英里を迎え朗読コーナー。二人の関係性は以前からTwitterではやりとりがあったものの直接会ったのは、去年の5月でそこから意気投合し今回のゲスト出演となった。「不思議の国の能登アリス」と題し、不思議の国のアリスをもとにしたストーリー、二人でいろんなキャラクターを兼ね役しながらの朗読で自由に演じているためかなりカオスな展開に!?ファンのみなさんも自由に楽しみながら演じる二人を温かく見守る姿が、能登との信頼関係を感じた。
能登と大関のコラボ歌唱コーナーに移る、二人ともアニメ好きということで相談した上で決めたのは、アニメ化物語より「君の知らない物語」をチョイス。大関の透明感と伸びのある声と、能登の甘くまろみのある歌声が重なり、ピアノサウンドの中に溶け込んでいく、声優だからこその歌声の表現力を味わえた一曲だった。
続いてはトークコーナー、昼の部は「能登マニフェスト」と題し、会場のみなさんにアンケートをとる形式。1つ目は、"のっちに作って欲しいお料理"は?選択肢は「肉じゃが」「豚汁」「おうどん」。拍手でアンケートを取ると豚汁、おうどんがほぼ同数になった結果、"豚汁うどん"に決定!2つ目のアンケートは、"変身して欲しいもの"、「デート服のっち」「ギャルのっち」「どんぎつねさん」から、圧倒的にどんぎつねさんに。いつか公開してくれる予定とのこと、楽しみに待とう。最後のアンケートは"こんなのっちを応援したい!"、選択肢は「YouTube体験してみた」「フルマラソン走ってみた」「新曲つくってみた」より、新曲つくってみたが一番拍手が多くファンのみなさんが歌の期待度が高いことが伺えた。
再びライブパートに、昨年(2019年)発売したゲーム「オメガラビリンスライフ」より能登が演じたキャラクター ネムのキャラクターソング「Dearest…」を歌唱。キャラクターソングこそ声優の歌唱の醍醐味だ、歌うというよりメロディに乗せて演じている。「Fantastic Field」のメロディアスなピアノサウンドで一気に雰囲気が変わる「greed city」で、間奏で得意のダンスを見せる。久しぶりのライブを楽しむように力を振り絞る姿が印象的だ。
ここからはラストスパート。ステージ中央でステージを踏みしめ「genkai◇sQuare」と曲名をつぶやく。そして入りすぎたチカラを抜くようにスーっと息を吐き、マイクを握っていた左手を2、3回ブルブルっと振る。気合いを入れ直す合図だ。能登のパフォーマンスは、とにかく手を抜くことを知らない。ダンスも全力で踊るため、マイクを持つ手にもチカラを入れないとマイクが手から離れてしまうのだ。ロック調のサウンドに挑発的な表情で会場を魅了する。ダンサブルな一曲でも、ここまで歌えるのは日頃からの鍛え方が違うのだろう。「Jeweling Heart」「純粋なフジュンブツ」とポップな曲が続く、前半が緊張の中歌っていたからか、緊張が解けた今は、すべてから解放されたようにステージを楽しむように、上手、下手と縦横無尽に動き回る。この自由に歌い踊る、そしてとにかく楽しそうにステージに立つ、能登有沙のライブとはこれなのだ。彼女の笑顔、楽しいが会場全体を巻き込む、小さな体に詰まったエネルギーをすべて放出するように。
そして「わがままバディー」へ。静かにサビから始まるこの曲は、大事な場面でよく歌ってきた一曲で能登自身も思い入れが強いのだろう、瞳に光るものが見える。体力的にはもう限界が近づいているだろうが、攻撃的にパフォーマンスする。限界を超えた限界に挑んているようだ、その瞬間さらに一段ギアが上がった。ファンも一体となりフィナーレに向けて声を届ける。
最後のMCで彼女は「事務所を移籍して、自分のことを見つめ直し、自分のいいところをできるだけ多く挙げていった。そうやっていくうちに、ステージに立ちたい歌いたい。という気持ちにたどり着いた」と語った。20代を突っ走ってきて、歩みを緩め、地に足をつけて出した彼女の結論は、歌うこと踊ること。様々な経験を経て出した彼女の答え。能登有沙は、ここからまた走り出すだろう。
最後は「ほしのわ」で会場をひとつにして昼の部は終了した。
<昼の部セットリスト>
01.Melancholic Sunshine
02.Making Of Especially
03.Addicted
コーナー1 [朗読]
04.君の知らない物語 (能登・大関)
コーナー2 [トーク]
05.Dearest…
06.Fantasic Field
07.greedcity
08.genkai◇sQuare
09.Jeweling Heart
10.純粋なフジュンブツ
11.わがままバディー
12.ほしのわ
<SPアンコール セットリスト>
01 願い
02 雨上がりSunny drops
<夜の部セットリスト>
01.おやすみ星
02.深夜あにめーしょん
03.destiny
コーナー1 [朗読]
04.ありがとう(能登・MoeMi)
コーナー2 [トーク]
05.Dearest…
06.uscita
07.Android Rhapsody
08.TSU・BA・SA
09.初恋EVOLUTION
10.MIRACLE RUSH
11.Blue Moon Dream
12.プライマル
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取材・文:もりたはぢめ
取材協力:株式会社センターグローブ