FEATURE

2024.09.01
Bitter & Sweet

一緒に熱情した夏の景色を作りあげる。その熱い関係で繋がりあえることが、素直に嬉しい。 「Bitter & Sweet LIVE TOUR 2024~青に染める~」レポート!!

 6月よりスタートしたBitter & Sweetの全国ツアー「Bitter & Sweet LIVE TOUR 2024~青に染める~」。延期になっていた東京でのファイナル公演が、8月25日(日)にLIVE STAGE GUILTYで昼夜2公演行われた。ここでは、当日の夜公演の模様をお伝えします。

 厳かな音色と、美しくも幻想的な映像が両サイドにあるスクリーンに広がりだす。何かが生まれる予感??そんな期待を胸に、流れる音と澄み渡る映像にすっかり気を取られていた。

  「「青染公演」ファイナルがスタートしました。みなさん、最後まで楽しんでいきましょう」の声を届けたのが、長谷川萌美。何時しか目の前には、『Go To You』に合わせてクラップをする2人の姿が。心軽やかに、心地好く気持ちを弾ませる楽曲に乗せ、2人は爽やかな歌の風を吹かせていた。彼女たちが「あなたは大変ね」の歌声に「大変よ」の声を返すやりとりも、お馴染みの光景。2人と一緒に青春の景色の中へ飛び込み、掛け合いも交えて物語の世界を共に描き出す。それを味わいたくて、大勢の人たちがBitter & Sweetのライブに足を運んでいる。ほんと、歌詞の一節じゃないが、「この気持ちは止めらんない」。
 「愛しい人よ 君の名を呼ぶ」と、田﨑あさひは、揺れ動く思いのまま『雨夜の月』を歌いだした。そこへ重なりあう長谷川萌美の歌声。楽曲が一気に情熱と華やかさを増すのに合わせ、場内中からも熱い声が上がりだす。少し影を持った、感情の揺れの見える2人の歌声。ときに気持ちを抑えながら。サビでは、熱情した思いを彼女たちは強い声で歌っていた。歌詞に綴った思いへ寄り添いながら、歌に登場する主人公の揺れ動く心模様を、2人は微細な揺れも歌声の筆を通して記しながら、一人の女性の思い揺れる恋心を、観ている一人一人の心のノートへ綴っていった。

 
 この日2人は、"青"を感じる楽曲を中心に届けるとMCで伝えていた。その言葉を受けて歌ったのが、長谷川萌美が作詞・作曲を手がけた『星』。心地好く跳ねる楽曲に乗せ、2人はクラップをビートに加えだす。長谷川萌美をリードに、田﨑あさひが優しい歌声を重ねる。夜のロマンチックな景色や、愛しい人と共に過ごしたときに覚えていた優しく弾む心模様、それらを思い返しているときのちょっぴり切ない思いが、2人の歌声を通して有り有りと描きだされる。彼女たちの歌声が、素敵な物語の語り部となり、観ている人たちの心のスクリーンに、甘いけど、でも切ないロマンチックな物語を映しだす。
  続く『涙の糸』は、傷ついた心を涙の糸で縫い合わせ、涙を零さぬようにと上を向き、少しでも歩みだそうとする気持ちを綴った歌。彼女たちはこの曲を、傷ついた自分の心の背中をみずから押すように歌っていた。2人は1曲ごとに語り部となり、透明な歌声の筆にいろんな色を塗っては、楽曲に書かれた思いを改めて物語として再構築するように歌いながら、一人一人の心へ物語を描き続けてゆく。
  『ラブストーリーは始まらない(2022)』でも彼女たちは、本当は告白したいのに、でも告白できなかった自分を少し悔いるように、一人の女性の片思いの恋心を届けてきた。少し悔いる思いだからこそ、2人は秘めた思いに情熱という色をあえて塗り重ね、届かぬ思いとわかりながらも告白するように(思いを届けるように)歌っていた。不安に揺れる恋心を、緩急の色を付けた歌声で巧みに塗り上げる様も、とても印象深く瞼に焼きついた。
  まだまだ猛暑のような日々が続く真夏に、冬の歌に触れるのにも風情を覚える。長谷川萌美をリードに据えて歌ったのが、彼女が作詞を手がけた、映りゆく四季も歌を通して覚える『雪と花火』。今は会えない愛しい人へ向け、その人のことを思い慕うように歌う声に触れていると、目の前にその物語が鮮明に映しだされてゆくようだ。今宵の2人の歌声の筆は、触れた人たちをいろんな恋物語の中へ連れ出し、その物語を間近で観ている気持ちにしてゆく。でも、その景色や物語が滲んで見えたのは、2人が涙色のインクで歌を綴っていたから?!


 2人の手拍子に乗せて始まったのが、『オレンジライン』。そよぐ風のような2人の美しいハーモニーも印象的だ。2人の晴れた声が、心地好い歌の風になって頬を優しく刺激する。『オレンジライン』を歌う2人の歌声に触れている間、ずっと心が弾んでいた。それは、彼女たち自身が、愛しい人との素敵な想い出へ、いつまでも消えないときめきの魔法をかけるように歌っていたから?!明るく爽やか、しかも軽やかな曲に乗せて弾む2人の歌声に、心がずっと嬉しく騒いでいた。

 続いて披露したのが、メドレーコーナー。2人が高く掲げた腕の動きに合わせて、フロア中の人たちが「Oi!Oi!」と声を上げだす。2人は切ない気持ちを奮い立てるように、『ないものねだり』に乗せて凛々しい歌声を響かせていた。気持ち高ぶる楽曲に触れ、フロア中の人たちが声を張り上げるのもすごくわかる。
  前を向こうとする思いを胸にここから大きく羽ばたこうと、2人は元気いっぱいに『DREAM GIRL』を熱唱。2人とも無邪気で素敵な笑顔だ。明るく駆ける楽曲の上で、彼女たちは腕を振り上げ、騒ぎたい観客たちの気持ちに希望や夢あふれる刺激を熱く熱く与えてゆく。
  「いくよ」の声を合図に、彼女たちの突き上げる拳の動きに合わせ、場内中の人たちも同じく拳を突き上げ、「Oi!Oi!」と声を張り上げる。ときに2人と声を掛け合いながら、『インストール』でも互いに熱情したい思いを重ねあい、「このまま突っ走っていこう」と、この場に熱情した景色を描きだしていった。
  メドレーコーナーの最後は、突然失った恋に戸惑う切ない思いを綴った『泣いて泣いて恋してる』。楽曲自体が疾走する力強さを持っていることや、メドレーコーナーを通して熱を作り続けてきたからこそ、2人は切なさを吹き飛ばすように、声に前向きな思いを込めて歌っていた。「泣いて 泣いて 強がって 泣いて」の歌声に、みずからを強気な気持ちに染め上げる2人の強い意志を覚える。曲の後半には、フロア中の人たちが拳を突き上げ、熱情した声を張り上げ、2人の歌う切ない思いを共に吹き飛ばしていた。


 長谷川萌美がアコギを手にして歌ったのが、長谷川萌美が作曲、田﨑あさひが作詞を手がけた共作ナンバーの『目指したのは』。この曲には、思うようにいかずもどかしさを感じながら。でも、目指した光のほうをずっと見続けたい前向きな思いを記している。シンプルな楽曲の上で、田﨑あさひが強い決意を胸に歌えば、アコギを弾きながら、長谷川萌美が彼女の歌に美しいハーモニーで思いを寄り添える。「過去の自分を丸ごと愛して」の歌詞のように、これまでの自分を認めながら。でも挫けそうな心に少しずつ前向きな歌声の光を降り注ぐように、2人はときに歌声をかけあい、美しい声を重ね、変わらずに持ち続ける思いや意志を届けてくれた。

  次に披露したのが、この日が初披露になる、2人で初めて作詞を共作したロック調でアップチューンの『重ねた道』。2人が出会ってから今へ至るまでの思い、コロナ禍など、思うようにいかずにもどかしさを覚えた時期を乗り越えた日々なども思い返しつつ、けっして歌い続けることをやめない情熱を、2人は胸の内に抱いた不安を吹き飛ばすように「この声よ導け」と歌っていた。この曲は、改めて今の自分たちがBitter & Sweetと向き合ったときに感じた思い??これからも2人は、歌い続ける強い意志を共に重ねながら、フロア中の人たちの張り上げる声をエナジーに歌い続ける。「向かい風だとしても その先に待っている」「スポットライト浴びて」と、確かな意志を胸に、場内にいる人たちを真っ直ぐに見つめながら歌う2人の姿に触れ、同じように気持ちが熱くなっていた。
 Bitter & Sweetは10月23日に新曲『29歳』をリリースすることを発表。この作品に、新曲の『重ねた道』を収録することを伝えていた。
 

  後半のライブは、『バイバイメトロ』よりスタート。テクノ/エレクトロ/オリエンタルな要素も加味した楽曲の上で、2人が愛らしい歌声と表情を魅力に、とある一つの風景を物語るように歌い、声を重ねていた。愛らしい2人の姿が視線を捉えて離さない。
  ここから、ふたたび場内に熱を注きだす彼女たち。2人は高ぶる気持ちを解き放つように『いつらのこゑ』を熱唱。彼女たちの突き上げる腕の拳の動きに合わせ、フロア中から熱情した声が張り上がる。
 その勢いのまま最後に歌った『恋愛WARS』では、2人と観客たちが手にしたタオルを振り回し、一緒にこの場に夏らしい熱い熱い景色を作りだす。明るく駆ける演奏の上で、2人は胸弾む思いを、満面の笑顔を浮かべながら少し早口で伝えてきた。フロア中の人たちが、声を張り上げ、思いきりタオルを振り回し、一緒に熱情した夏の景色を作りあげる。その熱い関係で繋がりあえることが、素直に嬉しい。


 アンコールで届けたのが、『ハレルヤ』。日々どんなもどかしい思いを抱こうと、Bitter & Sweetのライブに足を運び、彼女たちの歌に触れていると、晴れた笑顔をチャージしていける。一緒に上を向いて、無邪気な素顔の自分になって歩いていける。いろんな思いを積み重ねたうえで、最後に『ハレルヤ』へ触れるたびに、この場で積み重ねたたくさんの幸せを、しっかり胸に焼き付けていける。だから、2人と一緒にクラップをしながら、その楽しさを忘れたくなくて声を張り上げてゆく。『ハレルヤ』へ触れるたび、自然に心が弾みだす。それが、本当の自分らしさ?それを思い返せるのも嬉しい。最後に生まれた、みんなで手を振りながら作りあげた「Sha-La-LA-la~」の合唱。歌い終わったあとも、全員で喜びを分かち合いあう。その関係を、これからもずっと繋げていきたい。そんな気持ちに染め上がったライブだった。


LIVE

TEXT:長澤智典


セットリスト
『Go To You』
『雨夜の月』
<MC>
『星』
『涙の糸で』
『ラブストーリーは始まらない(2022)』
『雪と花火』
<MC>
『オレンジライン』
メドレー
『ないものねだり』
『DREAM GIRL』
『インストール』
『泣いて泣いて恋してる』
<MC>
『目指したのは』
<MC>
『重ねた道』(新曲)
<MC>
『バイバイメトロ』
『いつらのこゑ』
『恋愛WARS』
-ENCORE-
『ハレルヤ』
 

<インフォメーション>


◆リリース情報
2024年10月23日(水)
NewSingle「29歳」リリース決定!!
作詞:大森祥子 作曲:星部ショウ 
C/W「重ねた道」

◆メンバープロフィール
 田﨑 あさひ
・生年月日:1995年11月20日
・血液型:O型
・出身地:長崎県
・特技:空手、合気道
 長谷川萌美
・生年月日:1994年4月2日
・血液型:A型
・出身地:新潟県
・特技:書道7段(中学生の時)、フレディ・マーキュリーのなりきりカラオケ

オフィシャルHP
http://bittersweet-official.com/

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