FEATURE

2025.11.29
JUJU

JUJU、15年連続となるBLUE NOTE TOKYOでのJAZZ LIVEを開催。恋にまつわる名曲たちを、物語として届けたDELICIOUSな空間。

JUJU JAZZ LIVE 2025「EVERYTHING IS DELICIOUS IN AUTUMN!!」のファイナル公演が11月18日(火)に東京・BLUE NOTE TOKYOで行われた。

今年3月に、JUJUはオリジナルアルバムとしては前作『I』から実に7年ぶりとなる『The Water』をリリース。同年5月から10月にかけては、全43公演に及ぶ全国ホールツアー「JUJU HALL TOUR 2025『The Water』」を開催。5ヶ月間にわたるロングツアー中の8月には夏フェス「SUMMER SONIC 2025」で「Billboard Live & JUJU’s BEACH PARTY」をオーガナイズし、AIと共に90’S R&Bメドレーも披露。

そして、2011年からブルーノート東京で毎年欠かさずに行ってきた恒例のJAZZ LIVEは、今年で15年連続15回目の開催となった。

開演時間を迎えると、まず、バンドマスターの石成正人(Gt)、草間信一(Pf、Key)、SOKUSAI(Ba)、天倉正敬(Ds)、本間将人(Sax、Fl、Org)の5人のバンドメンバーがステージ上にスタンバイし、オルガンをフィーチャーしたファンキーなサウンドを鳴らし始めた。
そのグルーヴィーな演奏に導かれるようにフロアのボルテージが上昇していく中で、ゴールドのロングワンピースを身に纏ったJUJUがステージに上がった。
場内が月明かりのようなライトに照らされる中で、JUJUは片想いの相手を夜の空に浮かぶ月に重ねるスタンダード「How High The Moon」でライブをスタートさせた。
遠く届かない相手への恋する気持ちを急かすようにスイングするアップテンポのナンバーで観客のクラップを引き出したJUJUは、両手を広げて「Welcome to BLUE NOTE TOKYO!!」と挨拶。

場内から歓声と拍手が上がるなかで、秋の訪れを知らせるバラード「Autumn Serenade(秋のセレナーデ)」でムードを一変させ、秋が来るたびに思い出してしまう忘れられない恋の思い出を、深いため息が混じったような歌声でやるせなく感傷的に綴った。

最初のMCでは「JAZZは私にとって精神安定剤であり、人生の教科書の1つでもあります。懐が深く、いろんな解釈ができるJAZZのスタンダードは、シンプルに想いを伝えることの大事さを気づかせてくれました」と語った後、昨年に続いての秋開催となったことに触れ、「今日、皆さんと辿っていきたいのは、秋にはじまった恋の物語です。秋にはじまった恋がどうなっていくのか。まずは、キュンキュンする恋のはじまりから」と呼びかけ、JAZZのスタンダードで、フランスのポピュラーソングでもある「C’est Si Bon」をコケティッシュにチャーミングにパフォーマンス。

続いて、サラ・ヴォーンやヘレン・メリルなど、数多くのJAZZシンガーがレパートリーとし、JUJU自身もJAZZ ALBUM『DELICIOUS』でカヴァーした「Lullaby of Birdland(バードランドの子守唄)」では、ウッドベースの歩みに寄り添うように甘い歌声を重ねていき、ラストは別れの予感を匂わせるかのような独特のフレージングによるスキャットから伸びやかなハイトーンへと展開。

そして、ラテンのスタンダードナンバー「Sway/Quien Sera」では観客の体を自然と揺らしていたタンゴのビートがピアノソロをきっかけにスピードを上げ、バンドメンバー全員による掛け声も炸裂し、フロアに恋の熱に浮かされたような熱気を届けた。

ここでJUJUは「C’est Si Bon」を英語に訳すと「It’s so good」であり、日本語にするなら「超いい感じ!」と意訳。「誰かと出会って、恋に落ちて、うっとりする。何をしても楽しいし、何をしていてもその人のことを考えてしまうし、色彩がビビットになる恋の1ヶ月目」と解説し、「Lullaby of Birdland」については、「恋の始まりの魔法が解けて、この人がいなくなってしまったらどうしようという、しなくてもいい心配をし始める。ひどく甘く美しい自虐の時期」と説明。
そして、「恋のボルテージが上がって、しなりしならせた(=スウェイさせた)3ヶ月が過ぎて、冷静さを取り戻すと、ちょっとした問題点に気づき始めます。この恋がどうなっていくのか...」と語り、「続く!」と声をあげて次の物語へ。やはりJUJUは歌で物語を伝えるストーリーテラーなのだと思わされる。

テナーサックスとハーモニーを重ね、エレキギターとのスキャットの絡みも印象的だったクールなマイナーブルース「Stolen Moments」では、のちのMCで「相手が急に連絡が取れなくなる“ろくでなし”だった」ことが判明。

「Cry Me A River」で「決してすがらずに、幸せになってねと笑顔で送り出し、友達の前で川ができるくらい泣き切って気持ちを切り替える」ことにした主人公は、むしゃくしゃした気持ちを晴らすために外に出て、通りすがりのお店に入ることにする。
ここで、「そこで流れていたのが大音量のボサ・ノヴァです。私も以前、京都のBARでかかっていたボサ・ノヴァに全ての怒りを失くしてもらったことがあります」と自身の苦い経験を吐露。

そして、「皆さん、さぁ、ブラジルに参りましょう」という言葉から、ローズ・ピアノとオルガン、フルートのアンサンブルを基調にした小野リサ「Canto para Nana」に続き、JUJUがワンピースの裾を持って踊りながらバンドメンバーのソロ回しを楽しんでいたアントニオ・カルロス・ジョビン「Agua De Beber(おいしい水)」の2曲をポルトガル語で歌唱。
爽やかで心地のいい歌声と演奏には、複雑に絡まった心をゆっくりと解いてくれるような効果があった。
ちなみに、「Canto para Nana (カント・パラ・ナナン)」とはポルトガル語で「静かな水の神様」のこと。

JUJUが「寄りを戻したいと言ってきた元恋人に、私は川ができるくらい泣いたんだから、あんたも泣いてみせて。ほら!」という曲だと教えてくれた「Cry Me A River」、そして、「おいしい水」という終盤の3曲は全て“水”にまつわる曲だ。

MCではBLUE NOTEが好きな理由について、「70分の非日常的な“時間旅行”に連れていってくれる。怒った時とかもやもやしたときにおすすめです」とも語っていた。
今回のJAZZ LIVEは、図らずも最新オリジナルアルバム『The Water』と、現在制作中で来春のリリースが発表されているアルバム『昭和洋楽 純喫茶JUJU 「時間旅行」 produced by 松任谷正隆』を繋ぐ内容となっていたことを記しておきたい。

そして、秋から始まった恋を辿る物語は、終わりから、次の恋のはじまりへと向かっていく。「これから先もどんどん心を揺らしていけたら。心の赴くままに恋に進んでいけたら。どんな記憶にも負けずに、皆さんにこれからたくさんの“うっとり”が訪れますように」という想いを込め、ミニー・リパートンのスイートソウル「Inside My Love」を歌唱。
美しいハイトーンを響かせながら「恋に落ちること、心が揺れることの大事さ」と「外側でなく、自分の内側を見て欲しい」というメッセージを伝えると、まさに “うっとり”とした余韻を残したまま本編はエンディングを迎えた。

アンコールで歌われたのは、2011年に同じBLUE NOTE TOKYOで初開催されたJAZZ LIVEや、2012年にニューヨークで行われ、日本人女性アーティストとして史上初の開催となった「MTV Unplugged」でも歌ったJAZZスタンダート「Lush Life」。

「Lush Life=飲んだくれ人生。何をやってもうまくいかないときに、いろんなことを忘れていこうという、私の人生のテーマソングです」と語った彼女は、ハイチェアに腰掛け、観客一人一人と目を合わせながら、同じ孤独や悩みを共有。
ビブラートの効いた深みのある歌声で<1週間パリにいれば>というフレーズを<1週間BLUE NOTEにいれば>と変えて歌い、計6日間・全12公演に及んだBLUE NOTE公演を締めくくった。

なお、現在JUJU は、2026年春にリリース予定のRequest Cover シリーズ最新作となる洋楽カバーアルバム『昭和洋楽 純喫茶JUJU「時間旅行」 produced by 松任谷正隆』を制作中。同作のプロデュースを務める松任谷正隆が演出を担当する全国ホールツアー『JUJU HALL TOUR 2026 純喫茶JUJU「時間旅行」演出:松任谷正隆』の開店も決定しており、2026年1月〜2月にかけては大阪、横浜、東京のBillboard Liveにてファンクラブ会員限定のリクエストライブを行う予定となっている。

 

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<公演情報>

JUJU JAZZ LIVE 2025 EVERYTHING IS DELICIOUS IN AUTUMN!!

《Member》

  1. JUJU(Vo)
  2. 石成正人 (Gt)
  3. 草間信一(Pf、Key)
  4. SOKUSAI(Ba)
  5. 天倉正敬(Ds)
  6. 本間将人(Sax、Fl、Org)

《Setlist》

  1. 1. How High The Moon
  2. 2. Autumn Serenade(秋のセレナーデ)
  3. 3. C’est Si Bon
  4. 4. Lullaby of Birdland(バードランドの子守唄)
  5. 5. Sway/Quien Sera
  6. 6. Stolen Moments
  7. 7. Cry Me A River
  8. 8. Canto para Nana
  9. 9. Agua De Beber(おいしい水)
  10. 10. Inside My Love
  11. En. Lush Life

 

<最新情報>

➀ New Album Request Cover シリーズ最新作『昭和洋楽 純喫茶JUJU 「時間旅行」 produced by 松任谷正隆』 ―2026年春リリース予定―

昭和洋楽 純喫茶JUJU『時間旅行』 produced by 松任谷正隆
【Request Cover シリーズ】MV
https://www.youtube.com/watch?v=K2gyLU3j3xM

 

② 全国ホールツアー『JUJU HALL TOUR 2026 純喫茶JUJU 「時間旅行」 演出:松任谷正隆』

―2026年 6月~10月 開店―

 

<ライブ情報>

JUJU FC LIVE / FAMILY AFFAIR#2
 全日 1日2公演

 

Billboard Live OSAKA
 2026年1月26日(月)

  1. [1st] 開場16:30/開演17:30
  2. [2nd] 開場19:30/開演20:30

 2026年1月27日(火)

  1. [1st] 開場15:30/開演16:30
  2. [2nd] 開場18:30/開演19:30

 

Billboard Live YOKOKAMA

 2026年1月30日(金)

  1. [1st] 開場16:30/開演17:30
  2. [2nd] 開場19:30/開演20:30

 

Billboard Live TOKYO
 2026年2月2日(月)

  1. [1st] 開場16:30/開演17:30
  2. [2nd] 開場19:30/開演20:30

 2026年2月3日(火)

  1. [1st] 開場15:30/開演16:30
  2. [2nd] 開場18:30/開演19:30

詳細はこちら:https://www.jujunyc.net/information/archive/?id=577334&page=1&now=5

 

<JUJU - プロフィール>

2004年メジャーデビュー。18歳で単身渡ったNew Yorkで、JAZZ / HIP HOP / CLUB MUSIC / SOULなど、様々な音楽カルチャーに触れてシンガーとしてのキャリアをスタートする。「奇跡を望むなら...」「やさしさで溢れるように」など数多くのヒット曲をリリースしながら、邦楽カヴァー・アルバム『Request』シリーズやジャズ・アルバム『DELICIOUS』シリーズなど、歌で”物語”を伝える歌手として、ジャンル・洋邦・世代を超えて名曲を歌い継ぐライフワークも注目を集める。

公式HP:https://www.jujunyc.net/

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