FEATURE

2024.03.21

アルカード・アリス(maleficium)

maleficiumに、新メンバーとして棺の中から目覚めたアルカード・アリスが加入。アルカード・アリス(maleficium)インタビュー!

　3月21日に、maleficiumへ新メンバーとしてアルカード・アリスの加入を発表。彼女を加えた新体制としての初ライブが、3月28日(木)に浅草VAMPKINで行うmaleficiumの定期公演になる。アルカード・アリスとは一体どんな人物なのか。その正体を、ここにお伝えしたい。

maleficiumへ加入をしたのも、ゴシックの持つ世界観をより深く追求したい気持ちからでした。

──maleficiumの存在は、以前から知っていました?

アルカード・アリス 興味を持ち出したきっかけは、Xで流れてきた(夜縋)らるむちゃんのポストを見たことでしたけど。以前に活動をしていたグループ時代に、他のメンバーがmaleficiumのアーティスト写真の魅力を話題にしていたことがあって、そのときからグループのことは知っていました。

──当時、どの辺に惹かれました?

アルカード・アリス 以前からわたしはゴシックが大好きで、自分なりにその世界観を追求していました。ゴシックを好きになったきっかけは、ティム・バートン監督の映画『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』を見て、その世界観に影響を受けたことが一つ。もう一つが、母親が音楽や映画を中心に、ゴシックという世界観が大好きで、幼少の頃から、自然にその影響を受けていたのもあったと思います。以前にもわたしは、ゴシックアイドルのグループで活動。その道へ進んだのも、ゴシック好きが高じてのことだし、グループを卒業後、ふたたびアイドル活動をしようとmaleficiumへ加入をしたのも、ゴシックの持つ世界観を、より深く追求したい気持ちからでした。あとで聞いたら、らるむちゃんもゴシックへ興味を持ったきっかけが『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』。そこへも共通項を覚えました。

──本当にゴシック好きなんですね。

アルカード・アリス その世界観を深く追求したい気持ちは強く持っています。わたしがmaleficiumへ興味の視線を向けたのも、音楽性を含め、その世界観に強く惹かれたことからでした。じつはわたし、小さい頃からピアノを習えば、高校時代はドラムを叩いていたこともあって、早い16ビートの楽曲がめちゃめちゃ好きなんですね。maleficiumも、ビートに強く惹かれたのはもちろん。メロディーが、すごく良いんです。最近は、気づいたらサビへ入ってたというフラットに切り替わる傾向の楽曲が多いですけど。maleficiumは、ちゃんとサビへの切り返しがある。そこにもめちゃめちゃ惹かれています。

──アリスさん、ドラムを叩いていたんですね。バンド活動の道へ進もうとは思わなかったの?

アルカード・アリス 高校時代にバンド活動をしようとしていました。当時、メンバーは集まったのですが、コロナ過によって一時期学校へ通うのもままならない状況下へ陥ったことから、バンド活動も自然消滅してしまいました。

──その後にバンド活動も出来たと思うのですが、なぜアイドルの世界へ?

アルカード・アリス 自分は身長が167cmあります。その身長を活かした自分を魅せるという面で、アイドル活動が向いていると判断。そこからアイドルの世界へ踏み込みました。じつはmaleficiumへ惹かれた要因の一つに、高身長のゆら໒꒱· ゜さんの存在もありました。わたしは、maleficiumの下手担当。高身長のゆら໒꒱· ゜さんとわたしが左右にいることで、そのバランスがとても綺麗に見えることも、このグループで自分を輝かせたいと思った理由の一つでした。

安元プロデューサー 彼女は、アイドル界でも少ない比較的高身長の子。そこを魅力にしつつも、逆に高身長が故の…という気苦労もあったようだけど。maleficiumには、身長が182cmという、アイドルとしては規格外の高身長のメンバーがいたこともあって、むしろ見た目のバランスもすごくよく映えるようになったなと感じています。

──まさに、自分を活かせる場を見つけたわけだ。

アルカード・アリス そうなんです。

一番は、直接信者たちから生き血を吸収していくことです。

──名前からもわかるように、ドラキュラキャラというのも、maleficiumの世界観にしっくりとハマる要素になっていますよね。でも、なぜにドラキュラなの?

アルカード・アリス 以前のグループでも、わたしはドラキュラのキャラクターだったというのもあって、そこは変わらずに継続しています。そもそもドラキュラに惹かれたのも、ゴシックの世界観をわたしなりに追求していく中、"ゴシック=吸血鬼"という印象を抱くようになったのも大きかったと思います。わたしが好きな俳優が、数多く残されたモノクロのドラキュラ映画の中、そのドラキュラを多く演じてきたベラ・ルゴシ。わたし自身が勝手にゴシックの原型はドラキュラだと捉えたことから、名前にもドラキュラのアナグラムであるアルカードと付けました。

──まさか、こんな若い子からベラ・ルゴシの名前が出てくるとは…。。もしや、噛みつきたい衝動も…。

アルカード・アリス あります(笑)。わたしのファンも、わたしにひざまずき、信奉してゆく信者の方々が中心。わたしの名前は、アルカード・アリスですけど。信者いわく「アルカード・アリスさま」までがわたしの名前なんですよ。以前に活動をしていたときも、よく「棺の中から、おはようございます。アリスさま」と言ってもらえていたくらいです。

──アリスさん、いや、アリスさまは棺でお眠りになられているんですね。

アルカード・アリス ドラキュラですから、棺で寝るのは当たり前です。もちろん、人の生き血もつねに求め、その信者を多く増やし続けてきましたし、これからも増やそうと思っています。

安元プロデューサー 彼女はその辺が徹底してるというか、夕方にならないと連絡が取れないんですよ。頑張れば午後帯からの活動をしてくれるんですけど。その辺は、らるむも一緒ですけどね(笑)

アルカード・アリス 太陽の日射しを浴びても、午後帯ならギリギリ外でも生きていけます。でも、午前帯はかならず棺の中で過ごしています。前のグループで活動をしていたときも、わたしの通常活動時間帯が夕方以降というのもあって、それ以前の活動時間帯のときは、よく他のメンバーに、棺をコンコン叩いてもらって目覚めていました。

──もしや、牙も隠し持っている方?

アルカード・アリス 牙は生えています。今も、若干ですが八重歯という牙が見えていますけど。人の生き血を吸い、身体中に血が満たされることで、その牙は大きく伸びます。

──好みの血液型もあるのでしょうか?

アルカード・アリス わたしは、力強さを持ったB型の血液が好みです。細かくいうと、BOという、ちょっとO型の成分も混じっている血液が好みです。今でこそ、髪の毛も色鮮やかになってきましたけど。以前のグループ活動を終えてmaleficiumへ出会うまでの間、ずっと人と接することがなく、なかなか生き血を吸収することがなかったのもあって、死に瀕していたからでしょうね、髪の毛も銀色でした。今はmaleficiumという新たな生き甲斐を見つけたことで、身体中に精気がふたたび満ちだしていますけど。早くアイドルとして現場へ戻り、たくさんの信者たちの生き血を吸い、完全体に戻りたいです。

──今でも、生き血は吸収しているの?

アルカード・アリス アーティスト写真でも血を満たしたグラスを手にしているように、生き血を入手しては、身体へ精気を注いでいます。でも一番は、直接信者たちから生き血を吸収していくことなんです。

安元プロデューサー アリスも言ってたように、アリス自身がらるむに興味を示し、そこから最初の接点が生まれたわけですけど。らるむも、僕自身も、maleficiumのキャラクター面を確立するうえで、ゴシック好きであり、ドラキュラ枠を担う子を求めていました。その足りないピースへアリスが飛び込んできてくれた。嬉しいのが、彼女自身がゴシックに精通しているから細かい説明をしなくとも理解してくれること。今回の出会いには本当に縁というか、運命を感じましたね。

ライブを通して見たわたしの姿を通し、その人なりにアルカード・アリスの良さを読み取ってほしい。

──アリスさまを加えた新体制の始動は、何時頃からになるのでしょうか。

アルカード・アリス 3月28日に浅草VAMPKINで行うmaleficiumの定期公演が、わたしのmaleficiumのメンバーとしてのデビューになります。加入を決めたのは本当に最近のことですけど。わたし自身好きな世界観を表現しているグループだからこそ早く活動をしたかったし、眠りから目覚めるのを待ってくださっている信者の方々に早く逢いたかったし、新たな信者を増やして生き血を吸うためにもと、あえてみずからに課題を課し、今、28日にライブデビューをするために学ぶ日々を過ごしています。

安元プロデューサー アリスは本当に積極的な、みずからいろんな意見やアイデアを出してくれる子。それは、今のメンバーみんなにも言えることですけど。以前は、僕自身が提案する世界観をメンバーが受け入れる形で表現していました。でも、今のmaleficiumのメンバーたちは、僕自身がベースとして築きあげたゴシック音楽の世界観に対して、それぞれの表現したい感性を持っていろんなアイデアやアドバイスをくれれば、僕も彼女たちの意見や発想を取り入れて、楽曲や、maleficiumを取り巻く世界観をブラッシュアップしています。以前とは異なり今は、表舞台に立つアイドル自身がグループの方向性を発信してゆく時代。彼女たちの捉える今のゴシックという感覚を、僕なりに培ったゴシックの歴史と混ぜ合わせてゆくことで生まれているのが、今のmaleficiumの音楽であり、世界観。その傾向は、これからさらに強くなっていきます。何より、今のメンバーたちは、みずからのゴシック感を持っている。だからこそ、今の時代に則したどころか、新しいゴシック音楽をmaleficiumを通して構築していける手応えも感じています。アリスも、その大切なピースの一つ。彼女の場合、ステージの上では"アリス様"という姿を魅せていますけど。普段はかなりホワホワ～ッとしている。まぁ、そこのギャップにも魅力を感じているし、信者の方々もそこへ惹かれているようですからね。

アルカード・アリス そうなんです。メイクを施し、衣装に着替えてステージに立つと、「怖い」と思われるくらいアリスさまとしてのスイッチが入るんですけど。舞台を降りると、ホワホワ～ッとなっちゃいます。信者の方々も、そのギャップに惹かれているみたいです。

──その姿を、早くライブを通して観たいです。良ければ、これからの活動に向けてのメッセージもいただけますか?

アルカード・アリス わたしが求めているのは、みずから「これがアルカード・アリスです」という印象を植えつけるのではなく、ライブを通して見たわたしの姿を通し、その人なりにアルカード・アリスの良さを読み取ってほしいなということ。ぜひ、28日以降から加わるわたしのライブ姿を通して、観た方なりのアルカード・アリス像を構築し、そして、わたしの信者になっていただけたらと思います。

安元プロデューサー 最後に補足的な情報になりますけど。会場限定で発売した最新音源の『Danaē～ダナエ～』の売れ行きが好調で在庫が減ってきていることや、きっとmaleficiumのファンの方々もアリスの声を入れた音源もほしいだろうなと思い、アリスの歌声も加えた『Danaē～ダナエ～』のリ・レコーディングバージョンを作ろうと思っています。そこも、楽しみに待っていてください。

TEXT:長澤智典

LIVE情報

「maleficium定期公演
stigmata～聖痕～vol.9」
2024年3月28日(木)
浅草VAMPKIN
18:00/18:30
\2500/\3000+1D
出演
maleficium/東京サイコパス/Qndy/YORUYU./MASK OF GODDESS/
雅from OMNI666/ZIGA/禅XENOVA刃 /SeedS/PISTIL/

maleficium
21:10〜21:40(30分)

maleficium専用予約フォーム↓
https://customform.jp/form/input/171839

CD情報

<Danaē～ダナエ～>
1 Ēlysion
2 lament
3 Danaē～ダナエ～
4 月は無慈悲な夜の女王
5 Stigmata〜聖痕〜
¥2000(税込)