FEATURE

2023.04.26
Silent Emotion

Silent Emotion インタビュー 小紫小夜丸編

 先に、VTuber音楽ユニット:Silent Emotionについて紹介しよう。

 VTuberプロジェクト『Mi→RiSE -ミライズ-』から新たに誕生した、音楽系VTuberユニットを育成・発信する新プロジェクトの『Mi→RiSE116 -ミライズピンピンロク - 』。その第一弾ユニットがSilent Emotion。メンバーは、花燎めら(かりょうめら)、氷雨いちか(ひさめいちか)、小紫小夜丸(こむらさきさよまる)の3名。『Mi→RiSE -ミライズ-』は、MIRAI+RISE=未来へ駆け上がれ!を掲げた、「BanG Dream!」や「D4DJ」などのストーリー原案を務めてきた小説家・中村航が率いる「ステキコンテンツ」がプロデュースする新たなVTuberプロジェクトになる。(HPより)

  これまでに、4曲のMVを作成。このたび、YouTube上で発表し続けてきた『情熱系アンドロイド』『合法妄想Freeze me!』『SHINY WIZARD』『疾風シークエンス』『蒼燕』の5曲と、新たに書き下ろした新曲の『ボナム・ノクテム』の計6曲を収録したミニアルバム『SE』を作り上げ、5月16日に発売することが決定した。

  今回、一人一人にインタビューを実施。それぞれが語るミニアルバム『SE』の魅力を感じていただきたい。
 

小紫小夜丸編


――まずは、3人の出会いから教えてください。

小夜丸  小夜丸はもともとネジ工場で働いていましたが、首になってしまい、一人バーチャルの世界を彷徨っていたところ、同じくバーチャルの世界で彷徨っていた2人に出会ったことが、共に行動をするきっかけになりました。

――小夜丸さんは、"闇を司る"方ですよね。

小夜丸  この世界を闇に染めたいと思っています。理由は、小夜丸にとっての居心地の良い世界を作っていきたいからです。

――なぜ、闇の世界を好むのでしょうか?

小夜丸  ネジ工場を首になったときに、闇落ちしました。

――それがきっかけでしたか…。それにしても、3人とも本当に個性がバラバラですよね。

小夜丸  そうですね。めらちゃんはすごく明るくて陽気な子だから、闇を好む小夜丸としては怖かったんですけど。仲良くなったら、すごく優しい子だとわかりました。めらちゃんは、いつもメラメラとしている、本当に元気いっぱいな子です。
  いちかは、クールなお姉さんに見えるけど、中身はけっこうなサイコパス野郎。いつも小夜丸の眉毛をいじってきます。

――3人で活動を始めてから、もう2年近く経つんですよね。

小夜丸  もう、そんなに経つんですね。3人とも得意なことが違うから、歌の表現一つを取っても、それぞれの見せ方がぜんぜん異なるんですね。同じ曲の中、同じ歌詞を歌っていても、歌い方の表現が違うからこそ、そこへ新鮮さを感じています。それくらい日々の刺激が多いから、ここまであっと言う間と感じてしまうんでしょうね。

――Silent Emotionの場合、これまでに発表してきた楽曲が一つとしてかぶらない。そこも魅力です。

小夜丸  そうなんですよ。ただ、最初に発表した『情熱系アンドロイド』『合法妄想Freeze me!』『SHINY WIZARD』は、先に明確なテーマを持って作っていただけた楽曲だと小夜丸は思っています。
  私たちは、火(花燎めら)・水(氷雨いちか)・闇(小紫小夜丸)というキャラクターを持っています。『情熱系アンドロイド』は、炎のように情熱的で真っ直ぐな楽曲。『合法妄想Freeze me!』は、氷のイメージ。『SHINY WIZARD』は、魔法使いということから闇にも重なる印象。つまり、メンバー3人のキャラクターを形にしてくれた楽曲だと捉えています。ただし、作詞をしてくださった中村先生に聞いたわけではないから、小夜丸としてはそう思ったということですけど…。

――その説明は納得です。ここからは、発表順に、それぞれの楽曲の魅力を紐解きたいと思います。まずは、『情熱系アンドロイド』からお願いします。

小夜丸  『情熱系アンドロイド』は、Silent Emotionの始まりを告げた歌。この曲では、めらちゃんがセンターで歌っています。めらちゃんの真っ直ぐな気持ちに、いちかと小夜丸が、「私たちも頑張ろう」と一緒に引っ張られてゆく思いを持って歌いました。この曲では、メンバーどうしのことを歌えば、「ここから、みんなを引き連れて進んでいくぞー」「Silent Emotionを一緒に動かしていこう」という思いも詰め込んでいます。疾走感もあるし、歌ってて元気の出る楽曲だから、小夜丸もこの歌が大好きです。

――続いては、『合法妄想Freeze me!』ですね。

小夜丸  メタルなギターの音がギャイーンと響きながら、楽曲がスタートします。クールな印象もあるけど、ゴリゴリに恰好いい楽曲です。小夜丸的にも『合法妄想Freeze me!』は歌いやすい楽曲というか。「自分らしさ持って歌える曲」という印象です。
  『合法妄想Freeze me!』は、初めてタイアップの付いた楽曲です。流れたのが、「ワールドプロレスリング」という新日本プロレスの試合を放送している番組。そのエンディング曲として起用になりました。この歌がテーマ曲になったことから、みんなでプロレスを生観戦しました。小夜丸は、そのときがプロレス初体験。見たらすっごく面白くて、小夜丸の中に新しい世界が生まれました。あのとき以来、「地球にはこんなにも楽しいものがあるんだ」ということを知り、すっかりプロレスに夢中になってしまいました。もちろん、テレビを通して試合は見ていましたけど。実際に目の前で見たら、迫力がぜんぜん違うんですね。あの衝撃は、やはり実際に見たほうがわかります。

――次が、『SHINY WIZARD』になります。

小夜丸  ちょっとラップ調の歌が入っているなど、この曲も、前の2作とはぜんぜん色の異なる楽曲です。『SHINY WIZARD』では、3人のキャラクターを味わえる歌も楽しめます。それこそ、めらちゃんはギャルのような歌い方をしています。

――ギャルですか…。

小夜丸  そうなんです。地球で例えるなら、渋谷にいるギャルみたいな。めらちゃんは、3人の中で一番年下ですけど。本当に言葉の意味をわかって歌っているのかな?!と思える歌い方が、すごくかわいいんです。そこへ、かわいらしい色気も覚える。めらちゃんの歌い方は、すごくかわいくて大好きです。
  いちかは、もともと歌声が恰好いいから、ラップのパートが様になっているんですね。まさに、いちかの歌の魅力がバリバリ出ている楽曲です。
  小夜丸としても、すごく好きな曲調だったから、歌っていて楽しかったです。歌詞の中に、気持ちを惹きつけるいろんな言葉はもちろん、プロレス用語を模した言葉も出てきます。小夜丸は、『合法妄想Freeze me!』を歌うときまで、プロレスには本当に縁遠い人だったから、プロレスの技の用語を知りませんでした。でも、いろんな知識を身につけたことで、『SHINY WIZARD』は武藤敬司選手が使っていた「SHINING WIZARD」にも重なっていることも知れました。他にもプロレス用語が入っているから、プロレス好きな方は、その視点でも楽しめると思います。
  『SHINY WIZARD』は、オリエンタルな女の子の可愛らしさや色っぽさを詰め込んでいる楽曲です。出だしのラップの部分を、みんなが気だるい感じで口にしているところにも注目してくたさい。

――Silent Emotionのレコーディングは、最初にめらさんから歌入れをすることが多いと聞きました。ということは、みなさんも、めらさんのテンションへ導かれるように歌入れをしていくのでしょうか。

小夜丸  確かに言われてみれば、ほとんどの楽曲の歌入れをめらちゃんから始めています。あっ、そうか。めらちゃんの歌声のテンション感が、私たち2人の歌入れのときの基準にも無意識のうちになっているのか。だから歌声が明るくなったり、テンションが上がったりしていたんですね。もちろん、どの曲でも、3人とも自分らしさを出すことを意識しながら歌入れをしています。

――続いては、『疾風シークエンス』ですね。

小夜丸  この曲のAメロ部分はセリフ口調にもなっているから、それぞれが発するセリフ口調の歌声からも、個々のキャラクターが見えてきます。『疾風シークエンス』の中でのめらちゃんはめっちゃ元気ですし、いちかはめっちゃ強いキャラクター性を発揮しています。だから、小夜丸も負けずと頑張っているんですけど。2人の色が本当に強々すぎて、圧倒されています。メンバーそれぞれの個性がどの曲よりも強く出ているからこそ、小夜丸も負けないようにと歌っています。

――この曲は、小説✕音楽✕ボードゲームプロジェクト「魔女のお茶会」のテーマソングなんですよね。

小夜丸  そうです。Silent Emotionとして、何曲か「魔女のお茶会」関連の楽曲を歌わせていただいています。 『疾風シークエンス』も、「魔女のお茶会」の持つ世界観に寄り添っています。小夜丸も、「魔女のお茶会」を形成する世界観やヒロインの子をイメージしながら歌いました。この曲を聴く方々も、その世界観もわかっていると、さらに歌詞の内容を深く楽しめると思います。

――続いての『蒼燕』も、「魔女のお茶会」関連の楽曲になりますよね。

小夜丸  そうなんです。『蒼燕』は、英詞始まりの歌。小夜丸は、あまり英語が得意ではなかったから、発音の仕方も含め、 頑張って練習をしたうえでレコーディングにのぞみました。小夜丸的には、大好きな曲世界です。全体的に、大人っぽさも出ている楽曲だと思います。

――『蒼燕』の歌詞の印象も聞かせてください。

小夜丸  たとえ世界観が違っていようと、中村先生の書く歌詞の根底には、背伸びをした少女が、大人になろうとしている感じが出ています。背伸びをした女の子の微妙で曖昧な感情の中に色っぽさを覚えれば、どの曲からも、強さと弱さが見えてくるところもポイントです。それくらい、中村先生はロマンチストなんだと思います。そのうえで、いろんな曲の中から、さりげなくプロレス用語や、それにまつわる表現が出てくるなど、巧みに中村先生の趣味も反映していく。そこが面白さだと小夜丸は思っています。『疾風シークエンス』に出てくる「0ne Punchで決めちゃって」の表現も、プロレスから来ているのかな?と小夜丸は想像していました。『蒼燕』や、ミニアルバムで初めて発表する『ボナム・ノクテム』はとくにそうですけど。いろんな捉え方や深読みをしていける歌詞なのも、中村先生の世界観ならではだと小夜丸は受け止めています。

――最新曲になる『ボナム・ノクテム』ですが。

小夜丸  『疾走シークエンス』『蒼燕』『ボナム・ノクテム』の3曲は、小説✕音楽✕ボードゲームプロジェクト「魔女のお茶会」にまつわる楽曲として作られています。「魔女のお茶会」には、人間を支持する魔女と、人間を滅ぼそうとする魔女が出てきます。人の存在を支持する優しい魔女の歌をSilent Emotionが歌えば、人の存在を否定する側の魔女の歌を囁揺的音楽集団AsMRさんが担当しています。その構図も踏まえて、人の存在に寄り添った側の歌として聴いていただけたら、より内容を深く楽しめると思います。ちなみに『ボナム・ノクテム』とは、ラテン語で「おやすみなさい」という意味を持つ言葉です。

――最初、「魔女のお茶会」のテーマ曲とは知らずに触れたから、今の時代を憂うメッセージソングかなとも思いました。

小夜丸  「魔女のお茶会」でも戦いが出てきますから、その世界観と現代社会が重なる面はあると思います。Silent Emotionの歌詞は、いろんな受け止め方が出来るから、そこも自由に楽しんでいただけたらと思います。

――完成した1stミニアルバムの『SE』、小夜丸さんにとってどんな1枚になりましたか?

小夜丸  活動を始めてから、ここまでの2年弱の中で次々と生まれた曲たちを1枚にまとめあげたのが『SE』になります。いわゆる、「アルバムを作りましょう」となって短期間で仕上げたのではなく、1曲1曲にじっくりと向き合いながら生まれた曲たちをこうやって1枚にまとめあげたように、ここからはSilent Emotionの歩みが見えてくると思います。

――今の小夜丸さんにとって、Silent Emotionとはどういった存在でしょうか?

小夜丸  今では、小夜丸の心を占めるとても大きな存在になっています。小夜丸は歌うことが好きだから、これからもSilent Emotionを通して歌い続けていきたいなと思っています。

――最後に、メッセージをお願いします。

小夜丸  今回のミニアニバムのリリースをきっかけに、Silent Emotionの活動の幅を広げていきたいし、活動の機会も増やしていけたらなと思っています。曲ごとに、歌詞に綴られた中村先生の世界観がすごく深くて楽しいからこそ、歌詞を読みながら楽曲を聴いてください。一つ一つの曲の持つ深みを味わってもらえると思います。この作品を通して聴ける新曲の『ボナム・ノクテム』も新しい曲調を見せた楽曲だから、こちらも楽しみにしていてください。そしていつか、YouTubeチャンネルを通したストリーミングライブではなく、地球に降り立って、みんなの前でライブをしてみたいです。これからのSilent Emotionの活動から、目を離さずにいてください。


TEXT:長澤智典

 

<インフォメーション>

JKT
【アルバム情報】
「SE」/Silent Emotion

2,750円(税込)

発売日:2023/05/16 発売
販売状況:予約受付中
特典:特典あり

【商品詳細】
サイレントな世界で、君をさがしてる――

2021年12月25日始動。
「退廃美」をテーマにしたエモ×ロックナンバーを携えて、
音楽シーンに突如現れた音楽系VTuberユニット『Silent Emotion』。

炎を統べる「めら」、闇を制する「小夜丸」、水を操る「いちか」の3人が、
それぞれのMIRAIを掴むためにやって来たバーチャルな世界で運命的な出会いを果たす。

「小さきものたちに夢と希望を!」

今まさに、3人の心に宿るサイレントなエモーションが、
世界を席巻しようとしている。 全楽曲P4DJプロデューサー/小説家の中村航が作詞を担当

【収録内容】
テレ朝 『ワールドプロレスリング』2022年2.3月度ファイティングミュージック「合法妄想Freeze me!」
小説✕ボドゲ✕音楽「魔女のお茶会」キャラクターソング「蒼燕」「疾風シークエンス」を含む全6曲

【収録曲】
・Shiny Wizard
・情熱系アンドロイド
・合法妄想Freeze me!
・疾風シークエンス
・蒼燕
・「タイトル未定」(新曲)
 

【特典情報】
複製サイン入り 楽曲ジャケット

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HMV
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タワレコ
▲タワーレコード
https://tower.jp/item/5641173/SE 

 
楽天
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アニメイト
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